継手・仕口展
−日本建築の隠された知恵−
ごあいさつ 左甚五郎、上野寛永寺や日光・東照宮の造営に従事し、登り龍や真招き猫を彫りあげたとされる徳川初期の名匠。大工と彫刻師とが混然一体となった当時の職人世界を彷彿とさせる彼の綺談の数々は、いまも歌舞伎や講談となって語り継がれています。 たとえば、折れた桜を接ぎ木して将軍の眼を欺いたとか、また、ほぞに雲龍を彫りこんで、二度と抜けない仕口をつくったとか……。 2本の木材を組みこむ接合法を“継手”(つぎて)といい、角度を変えて木材を組みこむ接合法を“仕口”(しくち)といいます。いずれも釘やかすがいを使わず、しかも外からはそれとわからぬ木造建築の基本的な工法のひとつ。そこには、中世の番匠や近世の棟梁たちが競って編みだし、練りあげた大工技術の粋があります。木の住まいからいささか縁遠くなった今日の私たちから見ても、それらの本来のはたらきを忘れさせられるほどの、むしろ立体パズル遊び的ともいうべきおもしろささえ見いだされます。 木の文化の復興が叫ばれ、失われゆく木造建築や大工技術の見直しが云々される中、この在来工法の一端をご紹介しました。工人たちの知恵の結晶は、私たちに何を語りかけているのでしょうか。 INAXギャラリー |
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図録・BOOKLET『
継手・仕口』
INAX出版が発行する建築とデザインを探検するシリーズ |
ギャラリー1 |
1984年11月〜1985年1月 |
INAXギャラリー 過去の展覧会記録
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