3D BOOKの世界展
−からくり絵本 とびだせ!−
ごあいさつ 3D (スリー・ディー) ブックとはスリー・ディメンション (3次元) ブックを意味します。 穴あけや切り込み、パノラマ、スライドやポップ・アップ等、2次元の世界、あるいは紙でできているという制約をのり越えて、画面に不思議な奥行きを感じさせてり、動いたり、立ち上がったりする本を思いうかべて下さい。 そう、例のスライドで画面が移動したり、本を開くと画面が立体になって飛び出してきたりする、あれです。 今では子どもの絵本のためのものと思われている3Dの手法ですが、もとをただせば、実用的な本・科学技術の本からはじまりました。古くは14世紀のイングランドの占星術等の写本に、数字や文字や言葉が現れる切込み円板を取付けたもの、またフラップを貼りつけて、めくると内部が見えるしかけの解剖学のテキストもありました。 17世紀の透視図法のテキストで、はじめて "立ち上がる" 形態(POP-UP)が登場します。 わかりにくいことをわかり易く理解させるために幾多の工夫がこらされてきたのです。 "子ども向けの本"が爆発的なブームを迎えたのは19世紀も半ば以降のことでした。 その先鞭をつけたのが、ロンドンのディーン社でした。その後、何人かのドイツ系の人々の仕事が目立ちましたが、中でも、3D BOOKの歴史を通じて最高の存在は、やはり世紀末から今世紀はじめにかけて活躍した、ミュンヘンのメッゲンドルファーといえます。 彼は、パノラマと劇場仕立ての手法を組み合わせたもの、さらにそれに動きを加えたもの、人間や動物の動作を精密に再現する、リベットとピポットを用いて動く絵本をつくって、3D BOOKの世界に新生面を拓いたのでした。こうしてこの時代までに、3Dブックのほとんどの手法が開発しつくされたのです。
今回の展覧会では、ディーン社の"DAME WONDER'S TRANSFORMATIONS"メッゲンドルファーの"CITY PARK"、"INATERNATIONAL CIRCUS"等歴史的な意味あいをもつものから現代のものまで、レプリカや写真を含めて約200点の3D BOOKSを展示しました。
3次元のさまざまな手法でよみがえった本たちをご紹介した展覧会です。 INAXギャラリー1・INAXギャラリー2 |
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注/展覧会図録は刊行していません
ギャラリー1・2 |
1989年7月 |
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