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堀 愼吉 展
― 大地の種 ―

会期 : 2002年10月1日(火)〜29日(火)
休廊日 : 日祝日



会場写真 会場写真

堀愼吉(ほりしんきち)さんの作品は、土を絵の具にして描いた平面です。在住する山梨県近辺で採れる土に凝固剤を混ぜて、パネルに描いていきます。画面は土の色とは思えぬほど豊かな中間色で彩られ、土壁のような乾いた感触をじっと見つめていると静謐さが満ちてきます。波が引いていった砂地のように、泥が乾いた画面には、小石や草の実の破片が満天の星のように散りばめられ、オレンジ色や黄緑色の星くずが象嵌されたように見えます。

堀さんは1960年代から空気や水、ゴムなどを素材に彫刻作品をつくってきましたが、美術という枠組みの中で仕事をすることに疑問を感じ、しばらくの間雑誌の編集や、陶器に使用可能な土の研究開発、民俗学の土器の複製などを行い、1980年代後半から再び土をモチーフに制作を始めます。

土を見つめ続けてきた堀さんの、大地と万物の行く末を思わせるような清らかな作品です。

上会場写真をクリックすると、左写真は左から2つめの作品、右写真は右側作品の拡大画像 (それぞれ24K程度)が表示されます




SHINKICHI HORI 作家略歴

1936
高知市に生まれる
1959
武蔵野美術学校(現大学)卒
1961〜66
「前衛土佐派」創立と活動に参加
1962
第5回シェル美術賞展佳作
1963〜66
高知県立工業試験場と勤務する学校の共同研究として、高知県における陶体素地の研究開発を行う
1966
四国現代美術展招待(徳島)
1967
南日本現代美術展受賞(高知)
1968
汎瀬戸内現代美術展招待(岡山)
1969
第2回愛媛野外彫刻展受賞(松山)
第1回現代国際彫刻展出品(箱根)
1970
尖鋭化した60年代の現代美術の表現活動にいきづまり、アイデンティティを見失い、制作活動から離れる
1976〜80
中沢厚(民俗学者)・石子順造(評論家)・小島福次(彫刻家)・遠山孝之(写真家)・中沢新一(宗教人類学者)とともに、山梨県に集中的残存をみせる縄文以来の石神「丸石神」の調査取材に取り組み、日本人の原美意識を追跡する
1978
「丸石神」の取材を契機に山梨県に移住
1980
『丸石神』(丸石神調査グループ編)出版(木耳社)
1986
「近世大工彫刻展」企画に協力(INAXギャラリー東京・名古屋・大阪)
1988〜
「土」をテーマとする制作をはじめ、以後、東京・京都・名古屋・軽井沢・山梨・岐阜などで個展
1989〜92
季刊アート誌に「土と石の宇宙」ほかを連載
1994
作品集『草茅の楽土』出版(ギャラリー華・東京)
1997
「こんなアバンギャルド芸術があった!高知の60年代展」出展(高知県立美術館・高知)
2001
釈迦堂遺跡博物館企画「土に学ぶ---堀愼吉展」(山梨)




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