INAX PUBLICATION

INAX出版 営業日誌

INAX出版 の書籍が置いてある全国の書店をご紹介します(在庫の有無は書店にご確認下さい)。
このページは、INAX出版・営業担当者が毎月連載します


ブックファースト川越店

2004年08月 ご紹介

新刊台

池袋から急行で30分、埼玉県川越市は"小江戸"と称される情緒ある街並を残す、都心から身近な距離にある観光地として知られています。 その一方で、賑わいの中心である川越駅は、JRと東武線が乗り入れ、一日の乗降客数が20万人近いターミナル駅でもあります。 この駅ビル今年2月にオープンしたルミネ4階に、ブックファースト川越店が出店しました。 坪数は300坪と面積では既存の大型店に及びませんが、この利便の良さと、絵本から専門書まで幅広い品揃えと内容で、他を圧倒しているように見えます。

6月下旬、「INAX BOOKLET『動物園のデザイン』が生物の棚で回転している(売れている)ので、販促POPか何かあれば送って欲しい」というお電話を受けました。 つまり昨年12月に出た本が半年経った今でも売れているという珍しいケースです。 翌日すぐに持参し、開店から4カ月後にやっと、建築書担当者と名刺を交換しました。
「面白い本なので是非、表紙を見せて売りたかった。生物の棚に場所を空けて置いた」そうで、開店後の10日で2冊が売れたといいます。 フロアの隅という目立たない棚の条件を考えれば、これは予想外に良い数字でした。

店内

JRの改札から目の前のエスカレータに乗り、2フロア上がればもう、書店に着いてしまいます。 すぐ正面に新刊や話題書が面陳され、左に歩を進めると、雑誌、文芸、文庫の棚が並んでいます。 レジ前のメインの場所は、女性向けの趣味・実用書が占めています。 ベビーカーが通りやすいゆったりめのレイアウトは、ビルテナントの客層を強く意識したもので、この他にも授乳やおしめ交換が行なえるベビー休憩室を設けているのも特筆すべき点です。 フロア中央には円形に棚で囲み、内部に白いソファを配した児童書のコーナーもあります。
INAX出版は、その奥。左に学生参考書、店で最も好調という看護書、対する右にビジネス、人文・社会の棚を見ながら通り抜けた突き当たり、理工書のコーナーにあります。 建築書は実践的なものよりは読み物が好調だそうで、『TenPlusOne』などのバックナンバーを置いて頂いています。その手前のフェア台では、7月中旬より<動物園フェア>を開催中です。 前述の『動物園のデザイン』の他、他の出版社から出されている動物関連書籍20数点が並べられています。 『サメのおちんちんはふたつ』、『王を殺した豚、王が愛した象』、『キリンのまつげはなぜ長い』、『カラスの早起き、スズメの寝坊』など、思わず手に取ってしまうタイトルです。
フェア担当者のおススメは『四億年の目撃者―シーラカンスを追って』という文庫本。 よく売れているのは『パンダ PLANET OF THE PANDA』と『動物たちの自然法 野生の知恵に学ぶ』。 季節柄、水族館の本も並んでいて、これらの選書は主にインターネットで、表紙とタイトルを見て決めたとか。 よくぞ集めたと思うフェアですが「実は未だ台に載せきれない本がある」のだそうです。

店内/児童書棚
店内/理工書棚
動物園フェア

正直なところ、単に動物関連書を集めるだけならば、特に珍しいフェアではありません。 こちらのフェアで非常に手がこんでいるなぁ…と感心するのは、プロ顔負けのPOPのみならず、全国にある主な動物施設のパンフレットまで取り揃え、しかもどんな施設なのかが判るカードをわざわざ手作り、張り出している事です。
上野は勿論、葛西臨海水族館、千葉マザー牧場、横浜ズーラシア、富士サファリパーク、日本モンキーパーク、登別マリンパーク二クス、沖縄美ら海水水族館などなど。
なかでも人気で、減りが早いのが、北極グマ館やゴマアザラシ館のオープンで今何かと話題を集めている北海道旭山動物園のパンフレットです。 これらは自由にお持ち帰り頂けるものなので、お客様のなかには、わざわざ持参したクリアファイルに折れないように入れて、大事に持って帰られる方もいらっしゃるとか。
「フェアへの出品を依頼した出版社だけでなく、資料提供を各施設に依頼した際の電話代だけで結構な金額になってしまった」と担当者は苦笑しますが、売る為の何かを企画し、仕掛け、お客様の反応が得られる、それまで棚に埋没していた本が売れていくという図式が、何よりも代えがたく、販売の原動力になっています。 これまでに手掛けた凝ったフェアの話などを聞いていて、この人は本当に売ることが好きなのだな、と思いました。
このフェア台は店の奥にあり、フェアには有利な位置ではありません。 ですが、ここまで足を運んで下さるお客様がいるということ、また協力をお願いした水族館の中に、わざわざ園長さんが電話に出て応対してくれたというエピソードも、仕掛ける側の背を強く後押しするものでしょう。

店内レジ前

これまで川越にはこれほどの大型書店がなく、おそらく周辺のお客様は池袋や大宮まで足を運んでいたか、通勤通学帰りに都心の書店で欲しい本をお買い求めになっていたと思われます。 しかしブックファーストの開店により、池袋や大宮の駅ビル内の書店のお客様が、どうやらこちらに流れてきているようなのです。
また「取り寄せた本が届きました」とお客様に電話をかける時に判るのですが、川越より"奥"にお住まいのお客様も多いとのこと。 川越店の存在は、周辺のみならず、広範囲にわたって影響を及ぼしているようです。
開店から半年、一日一日の出来事が店にとって貴重な経験値として積み重なり、今後に生かされつつある、何か勢いのようなものを感じた今回の取材でした。


ブックファースト川越店

埼玉県川越市脇田本町 39-19 (〒350-1123)
ルミネ川越4階
TEL : 049-240-6212
FAX : 049-238-7131

営業時間 : 10時〜22時
休業日:ビルテナント休館日に準ずる

ブックファーストURL: http://www.book1st.net/


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