INAX PUBLICATION

INAX出版 営業日誌

INAX出版 の書籍が置いてある全国の書店をご紹介します(在庫の有無は書店にご確認下さい)。
このページは、INAX出版・営業担当者が毎月連載します


青山ブックセンター本店

2004年11月 ご紹介

店舗外観

青山ブックセンター(以下ABC)―出版関係者でなくとも、その名を新聞紙上で目にした、あるいはニュースで耳にした方は多いと思います。 7/19の突然の閉店から2ヶ月と10日、熱い支援を受け、9/29に都内2店舗がReOpenを果たしました。 今月は青山にある本店をレポートします。

ReOpenの日は朝からあいにくの雨でしたが、早い時間からカートを押すお客様をお見かけしました。 こんな雨の中をご来店下さったこと、レジで「再開おめでとう」と声をかけて戴けたのが何より嬉しかったと、どのスタッフも口々に云っていました。
通常のリニューアルオープンとは違い、商品はまたイチから仕入れ直しでした。 取引先にこれまでのお詫びをしつつ取引再開をお願いする日々は文字通り怒濤でしたが、「大変だったが、棚詰めは面白かった」と云うのは本音でしょう。 売る本が有るという事、どうやって棚や台に並べようかと頭を悩ませられる事、書店員として当たり前でも閉店前には叶わなかった事がフツウに出来る喜びが、一新された充実の商品と共に店中に溢れています。

新刊,雑誌 レジ前 HOLGA

店内

店の雰囲気は以前と変わっていません。 ガラス張りの外壁側には洋の東西を問わず雑誌がズラリと並び、棚もアート、デザイン書、写真集、洋書等のビジュアル書が中心です。 店の中央を貫くギャラリーは来春までスケジュールが埋まっています。 映画音楽、人文系など読み物の揃えも変わらず厚く、またカメラグッズコーナーも大々的に復活しています。

"変わったところ"で目を引くのは、建築書コーナーに出現した什器《MANGA・POD》です。 建築事務所アトリエ・ワンが設計し、先ず東京デザイナーズ・ウィークに出品された作品で、ABC本店の合板什器に色味を合わせて作られたのですが、何とも大きな存在感を示しています。 この什器の設置後、当初は元気がなかった建築書の売れ行きは上向きだそうで、当社新刊『青木淳 JUN AOKI COMPLETE WORKS 1』も売り上げに貢献していると聞き、嬉しい限りです (初回納品分25册を約10日で売り切って戴きました)。 取材時は入口すぐ左の"一等地"に山と積まれていて、INAX出版初の栄誉に、思わずシャッターを切りました。
10/26には青木淳氏によるトークイベントが行なわれ、100名近い聴衆を集め、サイン会も盛況でした。 著者と読者が直に接する様子は、作り手にとっても励みになる情景です。
このほかにもReOpen記念イベントは六本木店ともども目白押しです。 12/4には佐藤可士和氏のトークを本店にて、年明けには洋書バーゲンセールを予定しています。

MANGA・POD
雑貨類

雑誌・書籍と、雑貨などのグッズと連動した棚つくりもABCの特徴の一つです。 インテリア平台でのおススメは、『海月(くらげ)書林の古本案内』。 古本屋さんの目を通じた本への愛情溢れる一冊です。 その隣には『Exposition de Buvards』。 Buvards(ビュバー)とは、1950-70年代、未だボールペンが発明される前のフランスで、インクペンの先に溜まる不要な液を吸い取る紙の事で、その裏側に印刷されていた広告を集めた本が、それ。 著者のLe cafe 421によるアクセサリー雑貨が、その隣で手頃な値段で販売されています。 京都出身のBleuBlancheが出した『B.B.BOOK』刊行記念オリジナルピンバッチもなかなか可愛い一品でした。

青木氏EVENT

今回取材したスタッフは旧新宿店以来のお付き合いです。 閉店の直前、そしてClose直後の頃を思うと、こんなにも早くABCが再開になるとは、正直思っていませんでした。
本離れが声高に云われて久しい昨今、書店の廃業は珍しくありません。 そんな中、今回の復活劇は奇跡にも見えますが、青山や六本木という立地、この店舗規模で、雑誌書籍から雑貨に到るまで独特の品揃えを行なっていた書店チェーンは、見回すとやはりABCしか無かったという事でしょう。
営業再開を強力に後押しした一つに、ABCをよく利用していた作家や写真家などアーティストの方々による署名運動がありました。 ReOpenを祝福する声は、9/29の新聞広告や、署名運動がきっかけで誕生した開店記念小冊子『ABCで会いましょう』に明らかです。 また、前述のトーク・イベント終了後のアンケートでも多く寄せられていました。

「駅から距離のある、奥まったこの店まで足を運んで来て下さる以上、お客様を手ブラでお帰しする訳にはいかない」とスタッフは口を揃えます。 そして「これまでと同じ事をやっていてもダメ」とも。
インターネット隆盛の今は、お客様の方が店員よりも早くに情報を掴んでいたりします。 デザイン等に従事するプロのクリエイターの方々が常連さんに多い本店では尚更です。 かつてABCの売りの一つであった洋書も、今は短期間で、しかも廉価で手に入ります。 いかにネット書店には無い商品を集め、仕掛けていくかが今後の課題です。
目も肥えたお客様の目に引っかかる"何か"を探し出し、手に取って、レジまで持っていって戴けるような店づくりは、これからが本番です。


青山ブックセンター本店

東京都渋谷区神宮前 5-53-67 コスモス青山ガーデンフロアB2F(150-0001)
TEL : 03-5485-5511
FAX : 03-5485-5679

営業時間 : 10時〜22時
休業日 : 無休(年末年始12/30〜1/3休み)

青山ブックセンター URL: http://www.aoyamabc.co.jp/


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