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INAX出版 営業日誌

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このページは、INAX出版・営業担当者が毎月連載します


ブックファーストルミネ新宿1店

2005年8月 ご紹介
shop この原稿を書いている1年前、青山ブックセンター(以下ABC)が閉店し、その震撼さめやらぬ中、新宿ルミネ1と2の両方にブックファーストが出店、し かもあと2週間でオープンと聞いた時は驚いたものです。 その頃、私はブックファースト川越店を取材中で、担当のOさんは急遽、新宿ルミネ1店に異動となり、商品棚詰め真っ最中のルミネ1店へ夜お邪魔 し、白い幌で囲われた中で取材原稿の校正をお願いしたのを覚えています。
あれから1年、「もう3年くらい経った気がする」とスタッフが云う怒涛の日々は過去のものとなり、この3月に商品も什器も新しく入れ替え、見事にリ ニューアルしたブックファーストルミネ新宿1店をご紹介します。
新宿にはルミネが二つあり、共に女性のお客様が多いのが特徴ですが、ルミネ1は新宿の西と南に広がるビジネス街への玄関口にあたり、ルミネ2よりも購 買層が高く、20〜30代の女性向けの商品がよく売れます。 店の品揃えも堅実で、雰囲気も落ち着いています。
フロア中央のエスカレーターを上がってすぐ目の前に[RANKING]の面陳台が並び、話題書・新刊を裏面に配して、データを元に各ジャンルで今なにが売れているかをうち出しています。 南の甲州街道側にコンピュータ、語学、ビジネス、社会など専門書の棚が並び、中央に文芸、実用書、レジ前には雑誌が置かれています。 北側エレベータ前にはアートコーナーが広がり、正面にインテリアの洋書が表紙を見せて並びます。 その裏側にINAX出版の本が置かれた建築書の棚で、デザイン、美術、写真集と続きます。 ファッション、映画・音楽の棚がレコードショップ新星堂側に伸び、通路を挟んでコミックコーナーというように、フロア中央にあるスターバックス・カフェをL字に取り囲んだレイアウトです。
1年前の開店は、ABC時代の什器そのままという慌しいものでしたが、この春の改装では高さがあり使い勝手の良いものをスタッフが選び、商品構成も人文やビジネスなど 専門書を大きく増やしています。 「専門書や文庫などテキスト系の読み物はルミネ2店よりも売る」そうで、ビジネス街に面した駅ビルという立地に適したものをきちんと置けば、数字にはね返ります。
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取材時の総合RANKING上位3傑は『人に好かれる話し方』、『さおだけ屋はなぜつぶれないのか?』、リリー・フランキー著『東京タワー』。ほか『自分の会社をつくるということ』、『プロ論』もロング・セラーです。 話題の文庫や文芸書の新刊はとにかく初速がはやいので、最初にどれだけ仕入れられるかがポイントです。 コミックも同様に白泉社など少女・女性コミックの新刊や、『NANA』、『のだめカンタビーレ』、『ハチミツとクローバー』もケタ違いに売れるそうです。 取材日は安野モヨコの新刊『働きマン第2巻』の発売日で、新刊台の1/3を占めていました。

このほか近くに服飾系の専門学校があるので、ファッション系、デザイン画の実技書もよく売れます。 全体的にあまり尖がったものは好まれず、洋書はインテリア系で、実は建築は思ったほどではありません。 アートでも例えば写真集では蜷川実花や佐内正史といった若手の作品、雑貨もナチュラルテイストのかわいらしいものが人気の主流です。
shop とはいえ、大型店が凌ぎを削っている新宿では、店としての個性も出して差異化も計っていかねばなりません。 アートコーナーでは、いつもいろいろなフェアをやっていて、私は営業時に覗くのが楽しみです。 今は《キューバアートフェア》と題して、チェ・ゲバラの関連書、書店に置くには珍しい大きさのポスターが積まれています。 フェアの他にも、カメラ、ポストカード、ステッカー、靴下といった雑貨類が、棚の隙間を埋めるように点在しています。
以前、川越店で「新しい何かを仕掛けて売れるのが好き」と語っていた担当Oさんは、休みの日は青山や代官山などの雑貨屋を見てまわり、自分からコンタクトをとって交渉するそうです。 今のおススメは若手絵本作家2人のユニットtupera tuperaの『木がずらり』。 1000部限定で造られた蛇腹状の自主制作絵本で、今秋にピエ・ブックスからメジャー・デビューを飾る注目株です。
shop 「1年前はABCと比較され、出店後は同じブックファースト同士で比較されて焦燥も覚えたが、商品とお客様の歯車が噛み合った今は、そんな不安は消えた」とスタッフは云います。 確かに今、ここがかつてABCだったと思い出す方が無理があるほど、全く新しい書店に生まれ変わっています。 約5カ月前のリニューアル・オープンの日、ガラリと変わった店の雰囲気と、レジの長蛇の列を見て、私は「西口にバランスの取れた良い本屋さんが生まれた」と期待しました。 この一年はめまぐるしかったと思いますが、今回お話を伺いながら、未だこれほどブームになる前に動物園フェアを川越店で企画し、全国の動物園や水族館館ひとつひとつに電話をかけてパンフレットを取り寄せた裏話を聞かせてくれた時の、楽しそうなOさんの姿が重なりました。
「ここまでくるのに出版社には随分と助けて貰った」とOさんは頭を下げられますが、新しい何かを発掘し、どういうふうに仕掛けて、今後この店を自分達でどうつくり上げていくのか、何よりも大事なスタッフのモチベーションは上がっているそうで、今後の展開が非常に楽しみです。
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この5月から始まった新しい企画として、スターバックスの横にあるガラス什器のスペースをイベントスペースとして転用しています。 今こちらでは、INAX出版として初めて新刊刊行と連動した写真展を8/16まで開催中です。 新刊『10+1No.39 特集=生きられる東京 』の「東京カタログ」ページに写真を提供した若手写真家の本山周平、蔵真墨の作品です。 通りがかりのお客様が目を留めて、立ち止まって下さる姿を見るのは、版元としても手応えを感じる瞬間でもあります。

ブックファーストルミネ新宿1店

〒160-0023
東京都新宿区西新宿 1-1-5
新宿ルミネ1 5F

TEL:03-5339-9411
FAX:03-5339-9412

営業時間:11 : 00〜23 : 00
休業日:年間2日(ルミネ1休館日に準ずる)

ブックファースト URL: http://www.book1st.net/


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