高橋靖史 展 -3D人体系-
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高橋靖史さんは、1980年代より日本、フランス、カナダ、アメリカにて活躍している彫刻家です。1995年からは「身体と世界」をテーマに、布、木、鉄、石膏、ポリエステル、ダンボールなどを用いて、大きく空間を使った作品を制作してきました。今展では、2005年秋までレジデンスで滞在していたニューヨークで制作された新作や、2004年宇都宮エスペール賞受賞の《移植》と《トルソ》など計9点を展覧します。 高橋さんのここしばらくのモチーフである身体が象徴的に展示された《移植》は、ギャラリーの壁いっぱいに、真っ赤に染めてロール状に丸めた古着が隙間なく詰められます。その古着と古着の間からは百本以上の先を尖らせた木の枝が30cmほど飛び出しています。「身体と世界」の境界にある「衣服」を意味性としてだけでなく、空間性として再提示した作品です。 |
(左から時計周りに):Graft '06,Self portrait,Box man,Maki,Selma,Man,Woman。 |
(上):Torso (下):Box man |
古着でできた薔薇の花の重なりにも似た前に置かれる≪Selma≫はダンボールを積層してつくった等身大の女性の身体ですが、見る角度によって、透過して見えなくなる作品です。色彩の対比や長い棘のような小枝が、人体のかたちに緊張をつくりだします。《トルソ》も、長さ180cmの白いFRPの板を何十枚も積層してつくられています。高橋さんは当初、世界を身体の外側にあるものと考えていましたが、子どもを持つことによって、祖母から母へそして子へと「身体を不可視な母型に幾重にも型どられたもの」、世界は身体の内側にもあると考えるようになります。「身体と世界」の関係を様々に考察した作品群は、「私は何者なのか、どこから来て、どこへ行こうとしているのか」という壮大なイメージを体現して圧倒的です。 |
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