鈴木 卓 展 2006年2月3日(金)〜2月28日(火) |
鈴木さんの作品は、鉄のような質感で、赤黒く錆び味を帯びた陶のオブジェです。シンメトリーに鳥が翼を大きく広げたようなかたちをしています。シンプルなかたちでありながらも、存在感があります。 「ひらくかたち」をつくり始めた当初は、浅型の花器の取手部分が両側へ広がったかたちをしていましたが、今展の新作では、水盤の部分がとても小さくなり、作品によっては、羽の部分だけで、大きなつぼみが開きかけているようなかたちや、船のように細長く伸びたかたちなど、伸びやかなムーブメントが感じられるようになりました。1点のサイズは50cm四方で今展では10点ほどが展示されます。 金属が錆びて、表面が幾層にも剥がれて浮き上がったような、発掘された古代の埋葬品のような重厚なイメージの黒い肌。 大きな鳥が翼を広げたような大胆で伸びやかな姿。 鈴木さんの作品には柔らかな土を思うままに操り、未来へ向って飛翔しようとしているスピード感や勢いがあります。重力に反したかたちも、少しずつ、少しずつ土を重ねてすべて手練りでつくります。「ひらくかたち」のシリーズは既に20点ほど制作していますが、最初の1点で賞を受賞しました。 鈴木さんは28歳の若い作家で、制作を始めて数年しかたっていません。大学のサークルで陶芸を始めましたが、一旦就職し、その後改めて多治見陶磁器意匠研究所で陶に真摯に向き合ってきました。前職では建築に携わり、図面や建設現場での溶接作業などに慣れ親しんでいたため、鉄筋や鉄板をイメージさせるディテールも垣間見られます。 今展は鈴木さんの初めての東京での個展開催となります。 |
|
ページのトップに戻る |
| mail:xbn@i2.inax.co.jp (件名・メールタイトルは必ずお書き添え願います ) | Copyright(C) INAX Corporation All rights reserved. 本ウェブサイトからの無断転載を禁じます。 |