INAX PUBLICATION

INAX出版 営業日誌

INAX出版 の書籍が置いてある全国の書店をご紹介します(在庫の有無は書店にご確認下さい)。
このページは、INAX出版・営業担当者が毎月連載します


多摩動物公園「コレクション」

2006年02月 ご紹介
店舗外観

先月は 画材屋さんを取り上げましたが、今月と来月は多摩と上野の動物園の中にあるショップをご紹介します。 「動物園の中にINAX出版の本なんてあるの?」と思われるでしょうが、コアラやパンダのぬいぐるみや図鑑などと一緒に2年前から置かれています。 きっかけは、BOOKLET『動物園のデザイン』の刊行でした。両園合わせてこの2年で400冊以上を売って戴いています。

大きなゾウが中央で迎えてくれる正面ゲートを抜けるとすぐ左側に、ショップ「コレクション」はあります。 170平米の明るく広い店内に、多摩動物公園に縁のある約900種もの生き物達が、ぬいぐるみ、 お菓子、バッグ、アクセサリー、文房具、書籍、テレホンカードなどに姿かたちを変えてひしめいています。

こちらの動物園は自然豊かな多摩丘陵の一角に位置しています。 取材日は曇天で寒い日でしたが、近くの保育園児達がまるでカルガモのように一列で入園して行きました。 園内を一周りすると、とても良い運動になりますので、温かい日には近隣にお住まいの方々のお散歩コースにもなっているようです。
集客のピークはゴールデン・ウィーク、次に紅葉シーズンが人気です。 毎年9月に店舗内で行なっているアンケートでは、武蔵野、世田谷、杉並区から来たという回答が目立つそうです。 年代は30〜40代、それも小学校に上がる前の小さなお子様連れのファミリーが中心です。 「その層だけをターゲットにするのではなく、店の広さを活かして、より動物に親しんで戴けるような店づくりを目指している」と言うのは、上野から移って2年めという主任のSさん。 Sさんに、オープン11年になるショップの店内ツアーをお願いしました。
玩具もいっぱい お菓子も豊富 殆どオリジナルのぬいぐるみ
入り口近くの子供の目に真っ先に飛び込んでくる高さにパズル、すごろくといった玩具や図鑑カードなどの教育素材が、フロア中央にはクッキーなどのお菓子類、ぬいぐるみ、シール、文房具など、棚の高さが上がるにつれて大人向けの商品が増えていきます。 『カブト・クワガタ大博覧会』のDVDは昨今の虫ブームも手伝って好調です。「お父さんにも人気が高い」と聞いて納得。
関連書籍も下段には子供に圧倒的に人気の図鑑、上段には『ずら〜りうんち』など大人向けの絵本が表紙を見せて置かれています。 緑の深い園らしく、動物だけでなく昆虫や植物に関する書籍もよく売れます。 商品だけでなく、フロアの床材はフローリング仕様、什器(棚)も高価な天然素材を使い、凝ったディスプレイに到るまで自然との一体感を大事にしています。
一番人気のレッサーパンダのぬいぐるみ 「多摩はリピーターの方が多い。そんな方々を飽きさせない商品展開を心がけている」とSさん。 「新商品への反応はとても早いです」と見せて下さったのが、つぶらな瞳のレッサーパンダのぬいぐるみ。 二番人気は昨年春に新館舎完成を記念して売り出した"毛足"の長いオランウータン。 2種類ともシカがシンボルの丸い札が付いていて、動物園のオリジナル品である事を示しています。 その場で店内を数えて貰うと、レジ後ろのゴリラ(価格は28560円!) も含め、約100種あるというぬいぐるみのうち63点がオリジナルでした。非常にリアルな造形で、レッサーパンダも前述の他に2種あり、くるりと引っくり返すと腹側がちゃんと黒く(しかもどことなく老け顔で)ただ可愛いだけのお人形ではありません。
これらのぬいぐるみはスタッフとメーカーが紆余曲折しながら半年もの時間をかけて造り上げている入魂の作で、この春には待望のユキヒョウがお目見えの予定です。
ぬいぐるみは小さければ小さいほど特徴を出すのが難しいという中、チャレンジしたのが「小さな動物シリーズ」。 パンダは品切れになっていました。 年頭恒例で用意する干支のぬいぐるみも人気で、犬は残り三匹になっていました。
個人的にはペンギンのぬいぐるみにそそられましたが、売れるのは園内に居る動物達です。 ガイドツアーなどで実際に目の当たりにするライオンやマレーバク、アジアとアフリカの2種あるゾウのぬいぐるみのうち、ダントツに売れるのはアフリカゾウの方です。 尤も店内にDVD映像が流れていた恐竜だけは実在しませんが。
ライオン、フェネック、アフリカゾウ 「ずら〜りウンチ」など絵本 お店はメインゲートのすぐ傍

ロングセラー商品を訊ねたところ、ぬいぐるみの背を軽くポンポンと触った後、アフリカゾウとコアラのぬいぐるみが挙がりました。 触った理由を訊くと「ぬいぐるみにも流行があり、最近は柔らかいものが主流だから」。 キリンやパンダなど一見、前から其処に置かれているように見えても、細かいところでデザインやパッケージが変わっていたりしてリニューアルされています。 商品サイクルは驚くほど短く、殆どが昨秋をメインにこの1、2年の間に入れたものでした。 じっくりと書店に置いて売っていく書籍とは異なる点と思いました。

実は動物関係の商品はそれほど多くはなく、探して探してやっと見つかるのだそうです。 海外製品でユニークなものもありますが、輸入すると高くついてしまう為に断念したり。 そうして集められた商品は毎月の選定会議にかけられ、売りたいものについて論議し尽くされたものが、晴れて店頭に並びます。 常に店全体の新陳代謝を計るため、本部スタッフも月に一度は店頭に足を運び、仕入れ後の商品の動きや、店の雰囲気を肌で感じながら、現場スタッフと一緒にショップをつくり上げています。

INAX BOOKLET「小さな骨の動物園」などが並んだ一角

店に並んだばかりの新刊『小さな骨の動物園』の反応を伺ったところ、 「男性よりも女性の方が手に取られていますよ。早速に売れた2冊はショップの女性スタッフが買ったのですが」と続けて聞き、取材を中断して、1月末に当社で発売予定の「小さな骨のポストカード」をご案内しました。

取材に伺ったのは、秋に揃えた商品が売れて減って点数が最も少なくなる時期でしたが、春には新商品がドッと出揃います。
「此処に来れば何か面白いものがある。ワクワクするような何かに出逢える。そして『動物ってこんななんだ、こんなに面白いんだ』と、子供から大人まで此処を訪れた方々に思って戴ければ」と言うSさんの言葉は、これまでの取材先で耳にした言葉と重なりました。 「棚のレイアウトを大きく変えるとか、キッズコーナーを設けるとか、やってみたいアイデアはあるものの、なかなかそこまで…」と苦笑される姿も。 いつもとても勉強になる営業日誌の取材ですが、今回は特に楽しくて、童心に帰った私は、店の一番人気という「アニマル・チョコレート・クランチ」をお土産に買って、帰路に就きました。

来月は上野動物園「リトルトランク」をお訪ねする予定です。


多摩動物公園「コレクション」

〒191-0042
東京都日野市程久保7-1-1
多摩動物公園内

TEL:042-591-0379
FAX:042-593-1809

営業時間:AM9:30〜17:00(入園は16:00まで)
休業日:毎週水曜日(祝日・都民の日の場合は翌日休、休園日に準ずる)

多摩動物公園 URL: http://www.gws.ne.jp/tama-city/tama-zoo/


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