すずきたもつ 展 2006年3月3日(金)〜4月3日(月) |
すずきさんの作品は植物の芽吹く様をモノトーンで表わした陶のオブジェです。 タイトル「春ニ想フ」シリーズは、長さ1m、枝先についた丸く膨らんだ実に若葉が数枚ずつ、今まさに芽吹いたように連なっている作品です。しかし、枝は化石のように白く乾き、葉は炭化したように黒色です。 芽吹きや発芽と言えば、新緑あふれる瑞瑞しいイメージがありますが、すずきさんの新芽は、冷たい色や硬質な質感をまとい、火山灰をかぶったドライフラワーのような姿で、遠い春を夢想しているかのようです。 これまでのすずきさんの作品は、骨のような枝、瓶のような球根や種子など、いずれも植物をモチーフにした幻想的なかたちが独特で、重く、いびつで曲々しく、迫力がありました。今回の新芽を表わした黒い楕円も、ひまわりの種のように狭い範囲に密集して、蟲が養分の詰まった種を突き破って出てきたような、ナマナマしさで強烈な印象を与えます。 すずきさんは東京芸大大学院で陶芸を学び、卒業して6年になります。コンスタントに発表を続けながら、公募展でも数多くの入賞をしてきました。長い間表現方法の変わらなかったすずきさんですが、最近、前述の作品や陶の蝶を標本箱風に展示する、これまでとはまったく異なる作品が生まれ始めました。その経緯は自然に次のステージが登場してきたのだと語ります。すずきさんには、まだまだ見果てぬ作品がありそうです。 今展では「春ニ想フ」シリーズを用いて会場全体を使ったインスタレーションを行います。 |
|
. |
|
ページのトップに戻る |
| mail:xbn@i2.inax.co.jp (件名・メールタイトルは必ずお書き添え願います ) | Copyright(C) INAX Corporation All rights reserved. 本ウェブサイトからの無断転載を禁じます。 |