首藤 晃 展 -彫・動・体- |
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首藤さんの作品は鉄、木、ウレタンなどを使った彫刻です。鉄の帆のついた自転車のようなかたち、機銃掃射台のような円環のついた人力車、サーカスの竹馬のような高い見晴台をもつ船のかたちをしています。 いくつかの作品は、今にも回転したり、どこかへ魯を漕いでいくような気配で佇み、鉄の黒や黄味を帯びた銅色の等身大で存在感を示します。また弓矢に似た武器のようなかたちからは、鎧兜を連想する重厚さや威圧感もありますが、それらが急に動きそうな時には、ユーモラスな表情もあらわれてきます。 首藤さんがつけたタイトルは「海人」、「海市」、「潜水棺」などで、近未来映画の廃墟となった地球に生息するレプリカントが、生命を維持するために、埋没した陸に代わって海洋生活を送る、漂流し、変身しながら、地球の記憶を遡っているような、古代的未来的な魅力の作品です。 首藤さんは北海道生まれの30代後半の彫刻家で、これまで青森を中心に発表をし、今回が東京では初めての個展開催となります。テーマとなるイメージは、生命に共通の原初的な記憶のようなもので、その感覚に近い言葉を「海の記憶」と呼んでいます。そして、そのイメージを分析したり理論づけたりすることはなく、単純に具体化して作品を制作しています。実際制作をしている時にも、作品と自分自身に関係が感じられず、人がどこか深いところで共有している同じ記憶のようなものへと伝われば、共振することができたらとイメージしています。首藤さんの活動エリアである北国の風土、海や漁師の生活などの土俗的なるものへのまなざしには、潮の満ち引きや移動の感覚が染みています。鋼鉄が描く素朴で懐かしい不思議な「海の記憶」のふるえが会場にこだまします。 |
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INAX アート・ニュース | INAXギャラリー2 2006年 展覧会スケジュール |
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