INAX PUBLICATION

INAX出版 営業日誌

INAX出版 の書籍が置いてある全国の書店をご紹介します(在庫の有無は書店にご確認下さい)。
このページは、INAX出版・営業担当者が毎月連載します


八重洲ブックセンター本店

2006年06月 ご紹介
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東京駅東の玄関口のランドマークとして親しまれている八重洲ブックセンター(以下八重洲BC)本店をご紹介します。 当社事務所が入っているINAX銀座ショールームから最も近い営業先の一つで、個人的にも利用させていただいている書店です。 ショールームや9Fのギャラリーにお越しのお客様には「JR東京駅からですと、八重洲ブックセンターさんがある八重洲口を出て…」とご案内させていただいております。

八重洲ブックセンターは本店を含めて恵比寿など都内に8店舗、関東以北を中心に計14店舗を展開しています。 以前、国際フォーラム店を当サイトでご紹介したことがありましたが、2003年9月に惜しくも閉店しました。 その頃にお世話になり、昨年本店7Fで再会できたH氏に、同フロア外堀通り側に設けられた"八重洲ラウンジ"で話を伺いました。 写真の通り、ガラス張りの気持ちの良い空間で、新幹線が頻繁に発着する東京駅を見下ろせる穴場的ビュー・ポイントです。 カウンターにはインターネットに接続できる端末機も置かれていて、調べものや書籍検索に利用できます。

1F 1F 7F八重洲ラウンジ

オープンは1978年、今でこそ1000坪を越える超大型店は珍しくなくなりましたが、当時は紀伊國屋書店新宿本店を凌ぐ売り場面積日本一ということで、大きな話題を集めました。 昨年の夏にそれまで上階に入っていた別会社のテナントがビルを出たタイミングで、大幅なリニューアルが行なわれ、ビル全体まるごと書店になり、売り場面積も1800坪になりました。 各売り場の移動は一日も店を閉じずに夜間に行なわれ、地下1階から8階まで全フロアを占有して9月にグランド・オープンを果たしました。 「これでやっと創業当時の目標である"どんな本でもすぐに手に入る書店"になりました」と、大変だった筈の苦労よりも、原点に立ち返れた安堵の言葉が先に出るH氏です。

幾つかのジャンルでフロア移動があり、売り場と棚が噛み合うようにレイアウトが変更になっています。 全体的に以前の在庫に更に厚みを持たせ、総在庫は*点から40万点に増えました。 逆に洋書は減らしたそうですが、今年に入って店全体の売上は右肩上がりで、特に「ニッパチ」と呼ばれて書店業界では忌み嫌われている2月の売上が目だって良かったそうです。

取材に先立ち、いつもはエレベーターで売り場に直行するところを、エスカレーターと階段を使って1フロアずつ上がってみました。
二宮金次郎の金色の像を横目に、先ず地下へ。 地図・旅行ガイドが中心のこちらには、非常にマイナーな国を含む海外各国の地図がズラリと揃い、1Fのエスカレーター横の壁面でもよく鳥瞰図や古地図のフェアを行なっています。 2001年にINAX出版から『鳥瞰図絵師の眼』というBOOKLETを出した時、B1Fに多めに置いていただいた事がありました。
天井が高くて明るい1Fは、新刊話題書や文学が中心です。 手帳類も充実しています。 以前、知り合いに「東京に栄転する上司に『10年手帳』をプレゼントしたいのだが近隣では入手できず、八重洲BC本店で売っているので、買って送って欲しい」と頼まれ、その通りにして喜ばれてから、まさに10年が経ちました。
通り側のM2Fには軽食もとれるコーヒーショップがあり、関西からお越しの面識のない新規取引先との待ち合わせに利用させていただきました。
2Fは経済、経営、ビジネス関連書。店一番の売上を誇るフロアです。 別の営業先で株をやっているという某書店店長が「八重洲BCの棚は参考になるので個人的によく利用している」と聞いたことがあります。 このほか「有価証券報告書総覧」や政府刊行物など、エリアならではのジャンルも揃っています。

2F 6-7F 7F

改装前は建築書が置かれていた3Fには、自然科学、電気・機械系の工学書、コンピュータなど。 昨年12月に刊行して売れ行き好評だったBOOKLET『小さな骨の動物園』は、こちらでも置いていただきました。 取材時には売れ行きは落ち着いてきているとのことでしたが、雑誌『ダ・ヴィンチ』で「今月のひと目ぼれ大賞」を受賞した旨、担当にお伝えし、4Fへ。 こちらはグッと棚に重量感が増して、哲学・思想などの人文科学が中心です。
此処からは階段を利用し、5Fが文庫・新書、6Fはまた雰囲気が変わり、児童書と学習参考書がゆったりとしたスペースに置かれています。 近くに小学校があるとはいえ、こんなに揃えていたのかと今更ながら思い至りました。 ちなみに先の『ハリー・ポッター』シリーズ最新刊の予約販売では店特製の大型しおりが特典でつき、17日の発売時には1F入口の二宮像も魔法使いの緑色の帽子を被り、売上に一役かいました。
階段の踊り場スペースに何気なく貼られた「子どものイラスト地図」の面白さに思わず見入り、甥っ子にプレゼントしようかな…などと品定めしながら、やっと7Fへ着きました(エレベータで上がればすぐです)。 その上の8Fは芸術、映画・音楽関連書が中心で、INAX BOOKLETはこちらのフロアにも置いていただいています。 イベント・スペースも併設し、洋書セールや刊行記念講演会などが行なわれています。 また海外の新聞も10誌ほど揃っています。

さて、医学、福祉・介護、建築・土木などの専門書が中心の7Fは、今回のリニューアルで棚在庫が約3倍に増えています。 建築では「都市工学」のジャンルを思い切って広げたり、建築系雑誌バックナンバーも過去2-3年遡って揃えるなど専門書在庫を厚くし、当社の在庫もほぼ全点が置かれています。

店内7F 店内7F 店内7F

建築書のコーナーは今も昔も実務書に強く、売上の大きな柱です。 例えば『建築改修工事管理指針』や『国土交通省土木工事概算基準』、『舗装施工便覧』といったタイトルからして実務的な本が、「油断するとすぐ品薄になってしまう」という勢いで良く売れます。 棚に並べている順に躊躇なく端から取ってレジへ直行、というケースが殆どで、学会書や仕様書と呼ばれているジャンルも同様だそうです。
読み物の棚で最近好調だったのは『建築は詩』、『前川國男敗軍の将』、『日本人の心と建築の歴史』。 住まいの棚では『安らぐ家は間取りで決まる』、『いい家が欲しい』。 昨年のいわゆる"姉歯問題"が騒がれた頃、巷の書店では構造系のハウツーものの需要が非常に高かったそうですが、こちらではそういった動きはなく、やはりプロのお客様が多いということでしょうか。
ビジュアル書では『商店建築』が挙がり、和書と並べて置くようにした洋書の棚でも店舗設計に関するものや『EXHIBITION DESIGN』といった展示に役立つ書籍に需要があります。

総じて実務系は平日、土日は住宅系とお客様の「住み分け」があるそうです。 「今は新刊から売れている状態だが、これからはもっとリピーターのお客様を増やして、棚に揃えた既刊本から先に売れるような店にしてきたい」とH氏は云います。

7F 7F 7F
entrance

東京駅周辺は大規模な再開発が進み、八重洲ラウンジから見下ろせる旧興銀跡でも建設工事が着々と進行中です。 都心回帰が提唱され、昼夜ともに人口の増加も見込める土地柄で、八重洲BCのような立地の大型書店の動向は、版元としては非常に気になるところです。

さて、都心の一等地、しかも東京駅の目の前というこの場所が、八重洲BC母体となった鹿島建設の本社跡地であるという事は、今ではあまり知られていません。 鹿島建設ホームページ「KAJIMAダイジェスト・受け継がれる文化の礎」ページには、故鹿島会長の企業理念が記されていて、同じような文化活動に携わっているサラリーマンとしては勇気づけられるものがありました。 書店入口に立つ二宮金次郎像の"謎"も、こちらのページを拝読すると「成る程」と納得がいきました。


八重洲ブックセンター本店

〒104-8456
東京都中央区八重洲 2-5-1

TEL:03-3281-1811(代)
FAX:03-3281-7081
テレフォンガイド:03-3281-7272

営業時間(平日・祝日):10時〜21時
営業時間(日曜):10時〜20時
年中無休(年始を除く)

八重洲ブックセンター URL: http://www.yaesu-book.co.jp/


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