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畑さんの作品は、月光に開花した白い花が風にゆらゆらと揺らめくさまを表わした陶によるインスタレーションです。 作品「ツキノハナ」は、白磁土を型成形でごく薄い平皿のような花形につくり、直径1mmの針金を茎に見立てて、その上に立てたものです。これを1輪であるいは群像のようにして展示します。花弁の重みに針金がしなり、いつも風が吹いているように揺れているさまが緊張を孕んで、幻想的な光景をつくりだします。タイトルも「月跡」や「宙ノ路」などとも名づけられ、空にのぼっていくような浮遊感と月の冷たく輝く表情がそのイメージとなっています。 畑さんは金沢美術工芸大学を卒業後、朝日陶芸展などで受賞、現在は広島県を中心に活動をされている若手作家です。2005年に展覧会を開催して、今回が2度目の開催となります。INAXガレリア セラミカはより多くの方々にチャンスを設けたいと、1人1回の開催を原則としていますが、前回開催した時の空間を変貌させる大きな力に、今回新しい銀座会場で改めてその作品を見たいと白羽の矢を立てました。「ツキノハナ」は1点が、青白い花が銀粉をまとったかのように輝き存在感を発している作品ですが、群像になるとまた風景のような迫力を増します。 |
まだここにない陶景へ
INAX文化推進部 大橋恵美 INAXガレリアセラミカは、若い世代の陶芸作家の企画展を開催しているが、11年目にして会場を移転することになった。若い世代というのは、自分らしい作品が生まれてきたばかりの作家の卵という意味合いであり、初個展である場合が多い。または、作風が変わったエポックメーキングな機会だったりする。展覧会の経験の少ない作家にとって、展示する空間を考えることは、作品を考える以上に難しい課題となる。展覧会をするということは、はじめて自分の作品を客観的に考えるということだ。ベテラン作家ほど空間と作品の関係性を知っていて、頻繁に会場を見に来る。それぞれが「ここで」「あそこで」「自分だったら」「この作品だったら」と幾度も頭の中でシュミレーションをしている。
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1976 京都市生まれ
1999 金沢美術工芸大学 産業デザイン学科 工芸デザイン専攻 卒業 同大学院入学
2001 金沢美術工芸大学大学院 美術工芸研究科 修了
2003 第41回朝日陶芸展 秀作賞 受賞
現在広島市在住
個展
2001 ギャラリーそわか(京都)
2004 リベラルアートJPN(広島)
2005 INAXガレリア セラミカ新宿(東京)
グループ展
1998 伊丹国際クラフト展
2000 第38回朝日陶芸展
第3回出石磁器トリエンナーレ
2001 第19回朝日現代クラフト展
2003 畑絢子+嶋田朋子二人展「behind in this big blue world」ヱビデンギャラリー(広島)
第41回朝日陶芸展
2005 第3回世界陶磁器ビエンナーレ(韓国)
ふなばし現代美術交流展‘05 物語が生まれる所(千葉)
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