1999年 1月 ご紹介

JR新宿駅南口は、ファッションビルの建設ラッシュが相次ぎ、｢新宿サザンテラス｣と呼ばれている今最も活気溢れる注目スポットです。

今回ご紹介する 紀伊國屋書店 新宿南店 は、この｢サザンテラス｣を見下ろすように建っている地上7階建の大型書店です。

1996年10月、総在庫60万冊、売場総面積1160坪・都内最大級の面積を誇り、オープン当時、大きな話題となりました。

隣接の大型デパートとは連絡通路で結ばれていて、休日はファミリー客が多いそうですが、平日は、西口・新宿副都心方面から足を運ぶビジネス客も多くなってきました。距離的にはJR代々木駅の方が近いのですが、華やかな新宿からのお客さんが多いようです。

また、ビルの7Fには｢紀伊國屋サザンシアター｣という劇場ホールが入っていて、下の階の6F<芸術・音楽・映画>の棚揃えは充実しています。オープン時、紀伊國屋書店新宿本店の洋書をほぼ引き継いだ<洋書>の売り場もこちらです。棚を贅沢に使って、カラフルな表紙を一面に見せている独特の空間です。

INAX出版の書籍は、この6Fと、5Fの"建築書コーナー"にあります。6Fにはデザイン系のBOOKLETが、5FにはBOOKLETに加え、建築系の10+1、叢書など、ほぼ全点が揃っています。

"建築書コーナー"のご担当によると、以前は学生が多く、建築書はテキスト本などを中心に売れていましたが、西口のビジネス客が増えた最近では、構造、土木などの実用書、INAX出版の書籍を含めた読み物も売れ始め、幅広い層のお客さんが定着してきているそうです。

書店を出ると、JR新宿駅から各地へ伸びる、まるで大河のような列車のレールの束をまたいで、西口方面とを繋ぐ大きな東西連絡橋｢サザンデッキ｣が近くに架っています。デッキ表面は木製で足に優しく、心地よい靴音が響きます。両岸にもデッキは広がり、界隈は昼夜を問わず多くの人々で賑わっている、新宿の新しい｢顔｣です。