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ニュースリリース

INAXは、分散型システム「エコ・サニテーション」
の実験において 環境先進自治体である徳島県上勝町と
実証研究協定書を調印
〜貴重な水資源を守り、美しい河川を守る、サステナブルなシステムを創造します〜

2010年12月14日

環境活動
 

水の世紀といわれる今、世界中で深刻な水不足が起こっています。特に下水道など汚水処理システムの整備が進んでいない地域では、河川の汚染など水に関するさまざまな課題を抱えています。INAXは、トイレのし尿や生活雑排水を戸別処理し、再利用・再資源化する分散型システム「エコ・サニテーション」の研究開発を進めており、12月14日、徳島県勝浦郡上勝町 笠松和市町長と協定書を交わしました。

上勝町は、日本初の「ゼロ・ウェイスト宣言*1」を行い、先進的な資源ごみ分別収集に取り組んでいます。また、総務省「緑の分権改革*2」推進事業の受託で、エネルギーをはじめとする自給と自立に向けた町づくりを推進しています。INAXは、町全体の環境意識が高い先進的な自治体である上勝町と協働して、従来にない全く新しい戸別分散型し尿・生活雑排水処理システム「エコ・サニテーション」の実証研究を2011年1月から開始します。
「エコ・サニテーション」とは、自然の仕組みを活用したシステムで、し尿は発酵分解処理して減容、生活雑排水は土壌処理します。このシステムを導入することにより、汚泥処理のための施設の維持管理費用の削減が期待されます。また、生ゴミも同じシステムで減容し、たい肥として資源化することが可能で、住民ならびに自治体のさらなる負担軽減も見込まれます。
この上勝町に先立ち、ベトナムでは河川の汚染防止と不衛生な生活環境改善を目指し、し尿処理に焦点を絞った新興国向け「エコ・サニテーション」の実験も行っています。INAXは、世界各地の水環境を保全し、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。


*1 ゼロ・ウェイスト:

ごみゼロ(出てきた廃棄物をどう処理するか)ではなく、そもそもごみを出さないという考え方

*2 緑の分権改革:

「地域の自給力と創富力(富を生み出す力)を高める地域主権型社会」の構築を実現するもの

「エコ・サニテーション」の構成

し尿の発酵分解処理と、生活雑排水の土壌処理を、戸別に行う分散型システム

浴室やキッチンなどから出る生活雑排水とトイレからのし尿を分けて処理します。

「エコ・サニテーション」の特長

し尿には、病原性の細菌も含まれ、生活雑排水と一緒にすると薄められ汚染が拡散し、一般的に処理も難しくなります。生活雑排水と分けて発酵分解処理することで、し尿の容量も重量も劇的に減らすことができ、運搬や回収も容易になります。
一方、キッチンや浴室から出る生活雑排水は、し尿と分けることにより、土壌が持つ処理能力を使って浄化できます。

このように、し尿と生活雑排水を戸別処理できる「エコ・サニテーション」は、住居が分散する地域における新しい汚水処理施設として期待されます。今回の実証研究では、汚水処理の整備・維持にかかる費用削減効果や省エネ効果についても評価します。

上勝町の紹介と協定に至った経緯

上勝町ホームページ: http://www.kamikatsu.jp/

徳島県上勝町は、徳島市中心部から車で一時間ほどの山間部にあり、人口約2,000名、高齢者率49.5%の過疎化と高齢化が進む町ですが、環境先進自治体として知られ、全国でも有数の地域活性型農商工連携のモデルとなっています。町にはインターネット回線が整備され、新しい視点で自然豊かな町ならではの地域活性事業を推進しており、平成22年度は、総務省「緑の分権改革」推進事業の受託に伴い、地域の自給力と創富力(富を生み出す力)を高める地域主権型社会の構築を実現する町づくりを目指し、再生可能エネルギーの実証調査も行っています。
棚田をはじめ四季の自然の美しい町で、「日本で最も美しい村」連合にも登録されており、世界各地からの視察も後を絶ちません。

上、下左:上勝町の美しい自然
下右:ゴミステーションで分別回収の様子

上勝町では、2003年に「2020年までに焼却や埋立て処分をやめる努力をする」という日本初の「ゼロ・ウェイスト宣言」を実施し、34品目の資源ごみ分別収集を行っています。
さらに、家庭の生ごみや汲み取りトイレ・浄化槽から排出される汚泥等についても資源化できないか、そして美しい河川をいかに守っていくかについて検討されており、今回のINAXの提案に共感いただき、協定に至りました。

エコ・サニテーション研究開発の背景

1. 貴重な水を守る、エコロジー
水の惑星といわれる地球ですが、地球上の水分の97.5%は海水です。飲み水など私たちが生活に使える淡水は、わずか0.007%に過ぎません。
世界の安全な水と衛生問題についてまとめた「人間開発報告書2006(国連開発計画)」によると、世界で24億人が適切なトイレなどの衛生施設をもたないとされています。地球温暖化と人口爆発により水不足は、今後さらに悪化し、特に生活用水を入手するのが困難な地域では、安全で衛生的な暮らしのために新たなトイレ設備が必要とされています。また、水源に恵まれ、降雨量が十分であっても、汚水処理システムが整備されていない新興国などでは、トイレや生活雑排水などの汚水をそのまま川に流している例も少なくありません。
淡水資源を汚さないことが世界中で求められており、INAXは、水を極力使わずに、し尿や生活雑排水を処理する「エコ・サニテーション」で、地球の貴重な「水を守る」ことに貢献していきたいと考えます。

2.求められる、サステナブルなサニテーション
し尿や生活雑排水を適切に処理することは、人々の暮らしと健康を維持するために必須の課題ですが、世界人口急増、地球温暖化、水不足など環境は激変し、従来の下水道と下水処理施設といったインフラシステムの展開には限界が見えつつあります。新興国はもとより先進国においても、整備費用、維持・管理費と節水・省エネや人口変動、太陽光発電などインフラ革新に対応した新しいシステムが求められています。日本国内でも財政難の市町村では、トータルコストを抑えられ、持続性の高いシステムがますます必要となっています。

エコ・サニテーション研究開発の背景

設置場所 

徳島県勝浦郡上勝町内の民家(戸建住宅の敷地に、屋外設備を設置)

研究実施期間 

2011年1月から2013年3月

研究項目 

発酵分解物・水質の分析、電気・水道料計測、地域全体としての費用対効果

注意:ニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

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