|
「ねむり姫の寝室」
1925(大正14)年8月『婦人グラフ』より 佐倉市立美術館蔵
「鳥の書斎」の肘掛け椅子(復元)。
背の中央がなだらかな山のように盛り上がっているのが特徴。
佐倉市立美術館蔵。H698×W735×D650(mm)
「木のめ舎」の肘掛け椅子(復元)。
ハート形の背板をもつ。饅頭型の丸い脚は森谷の家具の特徴。
個人蔵。H710 ×W768 ×D600(mm)
撮影:すべて雨宮秀也
|
 |
詩を奏でる室内装飾
大正の若き家具デザイナー
33歳という若さで夭折した家具デザイナー・森谷延雄(1893-1927)。20代後半に欧米へ留学して以来、わずか数年のうちに、研究、家具デザイン、執筆、教育など、驚くほど膨大な仕事を、家具界発展のために成し遂げました。1923年の関東大震災後の復興期にあって、当時の室内装飾の潮流に逆行し、自身の理想を貫いた人でもありました。森谷のつくる家具はまるで詩の世界から飛び出してきたかのように甘美で繊細です。そのエッセンスは、中流家庭への洋家具普及を目指した工房「木のめ舎」の廉価で実用的な作品さえからも感じ取ることができます。
今に至っても森谷の詩的な世界観が投影された家具デザインは稀有な存在です。なぜこのようなデザインが創り出されていったのでしょうか。本展では、家具デザインを中心に、濃縮された人生に遺された希少な資料を考察しながら、森谷の人間像を浮かび上がらせます。
会場では、現存する数少ない森谷の家具から復元を含めて13点を大きく2つのコーナーに分けてご覧いただきます。ひとつは、彼の詩的感受性が存分に発揮された室内空間を紹介するコーナーです。もうひとつのコーナーでは「木のめ舎」の作品をはじめ、シンプルな中にもそれぞれのディテールから森谷の繊細な感性が十分に伝わる家具作品を展示しています。その他、留学中に描いた実測スケッチや著書、また森谷が残した言葉などもご紹介いたします。家具界きってのロマンティスト、森谷延雄の創造世界へと皆様をご案内いたします。
今回の展示・取材にあたり、関係のみなさまには多大なるご協力を賜りました。この場をかりて厚くお礼申し上げます。
[企 画]
INAXギャラリー企画委員会
[協 力]
岩倉榮利、大竹誠、(財)鎌田共済会、小泉和子、佐倉市立美術館、桜製作所、松戸市教育委員会、本橋浩介、森谷延周、(五十音順)
BOOKLET
『夢みる家具 森谷延雄の世界』
2010年9月刊行
本文80ページ
定価:1575円(税込)
INAX出版
|