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職人のミクロコスモス展
−仕事場と道具−

ごあいさつ

職人 ― いま、かれらの存在に、あらためて時代の脚光があてられようとしています。消えゆくものにたいする、詠嘆のまなざしからだけではありません。味気ない大量生産のシステムから逃れでる、そしてまた、みずからものをつくるよろこびをとりもどす、その可能性と方途をさししめすものとして。

職人 − 旧、伊奈ギャラリーでのこれまでの企画展は、それらのほとんどが、じつはかれらの仕事を背景に置いたものだった、といっていいように思われます。無名の者たちによる、だがひとつひとつの工作物がそれぞれに個性の輝きをはなつ手仕事の系譜……。

職人 − 名称が変わってからはじめて、こんどのINAXギャラリー1では、かれらが舞台の全面に総登場。といっても、やはりこの場合も、かれら自身ではありません。かれらの道具によってしめされるかれらの仕事場。

職人 − かれらの仕事場は、かれらのからだを軸に、道具と素材とがひとつの全体にきりむすばれるミクロコスモス。そこでは、長い熟練の時間と、自在の身体運動が一種超越的ともいえる磁場をつくりだしているのです。

職人 − 会場では三味線のバチ、樽、矢、櫓大工、船鋸、大漁旗、ラシャ切り鋏、表具、楊枝、漆……、主として千葉在住の、細工ものをつくる居職たちの多様な道具類と、それらの置かれた場を象徴的に再現いたしました。それらによってかれらの豊かなミクロコスモスを、いわば気配として感じとっていただければ……、これが今回の試みにたいする私たちのひそかな願いです。

展示にあたっては、関係の皆さまがたに多大なるご協力をいただきました。この場を借りてあつく御礼申し上げます。

INAXギャラリー


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図録・BOOKLET『 職人のミクロコスモス(在庫切れ)

INAX出版が発行する建築とデザインを探検するシリーズ




会 期 (終 了)
ギャラリー1
1985年9月〜11月



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