粟津 潔 展
いつか耳にした音の−記憶に沈んでいる風景
ごあいさつ INAXギャラリー大阪の最初のオリジナル企画展は、粟津潔さんです。 いまさらご紹介するまでもなく、1955年「海を返せ」で日宣美賞を受賞以来、周縁領域の多様なメディアを手がけて最も幅ひろい活動を続け、デザイン的なるものを考えるうえでも、若い世代に大きな影響を与えてきた一人です。 その点では、今日みられるようなデザインと他のジャンルとの境界を、作家の側からあいまいにさせてきた張本人といってもいいかもしれません。 そんな粟津さんの仕事を一貫して特徴づけているのは、大まかに一言でいって、かつての指紋や印章の図柄や、装幀でおなじみの波のような文様でも明らかなように、そのモチーフが、きわめてパーソナルな契機を出発点としていることです。 といえば、まるであたりまえなことのように聞こえるかも知れませんが、程度の差はあれ機能の制約から免れえないデザインにあって、このことはかなり稀有な例であるように思われます。 この点でも粟津さんは、デザイナーというよりむしろソシアル・アーティストとして、個人的な発想をよりどころとする今日の表現状況を先導してきたといえなくもありません。 今展では、牛や鶏などの動物を描いたもの、水の水面を描いた「SURFACE」シリーズ、「花札」をテーマとしたもの、旧作にもとづく「RECOLLECTION」シリーズなど、パステル・ドローイングを中心とした約50点をご覧いただきました。 INAXギャラリー |
注/展覧会図録は刊行していません
ギャラリー大阪 |
1985年11月 |
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