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尹 亨根展
(YUN,HYUNG-KEUN)
−バーントアンバー・ウルトラマリン−

ごあいさつ

1987年最初の現代アート展は、土色と藍色が溶けあった、大地の色ともいうべき一色で画面を構成する、韓国の作家、尹亨根(ユン・ヒォングン)氏の展覧会を開催いたしました。 題して「バーントアンバー・ウルトラマリン」。二色の色の名がタイトルです。

尹さんは1928年韓国忠北道生まれ。 ソウル大学校美術大学西洋画科中退後、弘益大学校美術大学西洋学科を卒業しています。画家としてのデビューは遅いほうで1966年、ソウルではじめての個展を開いています。 その頃から60年代の終わりまでは、色をつかった作品を発表していましたが、次第に色を消したい思いが強くなり、色面を何本もの線で塗りつぶすようになりました。 やがてその線は、太くなり、二本、または三本の線だけが残るといった作風に変わってゆきます。 そして今は、遂に一本の太い線、もう線とも呼べない太い流れ、うねり、かたまりとして表現されています。

色面を消してしまいたいという欲求は、旧来の絵画という概念を捨ててしまいたいということでした。意識と無意識の間を行き来しながら、自らの手の痕跡すらも消してしまいたいという思いで描かれた画面からは、勁くもあり、しかし何のてらいもない丸ごとのかたちともいうべき、初源的な素朴さが伝わってきます。 バーントアンバーは、木や大地の色。ウルトラマリンは空や水の色。その二色が混じり合った色は、万物すべてが、いつかはたどりつく最後の色、腐蝕の色といえるでしょう。 尹さん自身の言葉を借りれば「苦い色」。

韓紙に油絵具2色と、テレピン油、リンシドだけの、苦い色の作品20数点が、真白い壁に並びます。

INAXギャラリー大阪





注/展覧会図録は刊行していません



会 期 (終 了)
ギャラリー大阪
1987年2月



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