小さな建築展
−模型のトポロジー−
ごあいさつ INAXギャラリー企画展、今回は建築模型にスポット・ライトをあてました。古くは飛鳥の昔、寺院様式がわが国にもたらされたのは百済からの使者がたずさえてきた模型によってであったといわれています。設計図も発達していない時代、工匠たちの建築技術を伝承するいちばんの道具は、「雛形」と呼ばれる模型なのでした。 これから建つはずの、あるいは、いまだ設計者の頭の中にしか存在しない建物や都市の姿を、立体的に眼に見えるかたちで示してくれる、言わば未来を先取りして現在にひきよせてくれるもの、そして他方、建築模型は、かつて存在した建物の姿を今に蘇えらせることによって私たちに過去をもひきよせてくれるのです。会場には、日光東照宮五重塔、陽明門をはじめ、花岳寺も甲州流水櫓、慈照寺東求堂、なつかしい銀座8丁目の天國旧店舗、石山修武氏の「笑う住宅U」、伊東豊雄氏の「レストラン・ノマド」等、それぞれの模型が並びました。会場構成にも工夫を凝らし、茶室の大きな起し絵図を入れ子のように設置してみました。 監修は、柔軟な思考法で日本建築史の謎を解きあかしてこられた神奈川大学教授・西梶氏。また展示は、多くの社寺と関係の皆様方のご厚意をもって実現いたしました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。 それにしても建築の場合に限らず、ひろく模型的なるものが、多くの人々を引き付けるのはなぜなのでしょうか。ほんものそっくりの魅力?大きいものが小さくなった魅力?この展示を通して、そんなことをも併せてお考えいただければ幸いです。 INAXギャラリー |
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図録・BOOKLET 『
小さな建築』(在庫切れ) ・・・ INAX出版が発行する建築とデザインを探検するシリーズ |
ギャラリー1 | ギャラリー大阪 | 1987年6月〜8月 | 9月〜11月 |
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