ご要望にお応えして1982年から1987年8月までのINAXギャラリー企画展用に制作されたポスター、案内ハガキ、ブックレット (BOOKLET) のデザインを一堂にご覧いただいた展覧会です。

INAXギャラリーがギャラリー企画委員会を母体として独自の企画展を開催するようになってから、足かけ6年。 ギャラリー1では、建築とその周辺に眼を向けたものを年4回、ギャラリー2では主に現代美術を年12回、休むことなく続けてきました (※1987年展覧会開催当時)。 企画についても、さまざまな催しがひっきりなしに行われているこの東京で、今でもどこの美術館もギャラリーも展示したことがない、ユニークな視点をもったものをと心がけてきました。 このあたりで、今までの展覧会を、ポスター、ハガキ、ブックレットのデザインを通してふりかえってみよう、というのが今回の試みでした。

ギャラリー1について言えば、1982年4月から現在までの展覧会は、21回を数えました (※開催当時)。 「雲南への道」展は、それから以後の中国・シルクロードブームを予見し、「建築のテラコッタ」展、「建築の忘れがたみ」展などは、計らずも路上観察ブームの先駆けのように語られました。 また「図説厠まんだら」展は、"トイレの歴史が展覧会になった！"と、その蛮勇を楽しんでいただけたように思います。 ブックレットは、毎回、単に、その展覧会のカタログとして終わるのではなく、1冊1冊が、充分にその分野の資料となり得るよう、マイナーだけれども、ちょっと視点をかえて見ると、色々とおもしろいものが見えてくる。 あんな切り口もある、こんな切り口もある、いろいろな角度からの切り口で資料的価値を考えてきました。 そして、展覧会が伝えようとするメッセージを、適確に、あるいはそれ以上に、広がりをもって表現してきたポスター、ハガキのデザインは、美術関係のデザインで多くのすぐれた作品をつくりつづけてきた田淵裕一氏の手によるものです　(※開催当時)。

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