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橿尾正次展
−立体紙−
Waving Structure

ごあいさつ

INAXギャラリー大阪、1988年9月の現代アート展は、福井県在住の作家、橿尾正次さんの個展を開催しました。
橿尾さんは、日本では早くからペーパー・ワークのパイオニアとして、針金と和紙による作品の制作を続けて来られました。
作品は、針金を自由自在に折りまげて、骨組を作り、その上に湿らせた和紙や韓紙を包み込むようにして張ります。和紙がぴんと張ると、独特な曲面を持つ造型が生まれます。

柔らかくてしなやかなフォルム、その表面には、柿渋や紅柄、鉄液やわらびのりが塗られています。黒く染めたり、光沢を出したり、半透明にすることによって、和紙は張りのある力強さを感じさせます。
また、最近では、草木染や藍染の和紙を用いるなど、色の表情も多用になってきました。
しかし、それらのどの素材も、針金を除けばほとんどが自然のものばかりです。ふと近づいて、そっと触れたくなるのは、自然のぬくもりを感じるせいでしょうか。

作品の1点1点は、仮面や巨大な植物や動物(特に甲虫)、あるいは、昔の民具や玩具を思い起こさせます。これらの発想のもとは「シャボテン」、「犀」、「胸部を構成している肋骨」、「いっぱい風をはらんだ帆」などであると橿尾さんは語っています。
そしてそれらは、私たちをとりまく事物の中でも、ある原始的なフォルムを思わせるもので貫かれています。

今展では、床に置く、壁にかける、天井から吊るすなどの多彩な作品に加え、内部に砂や木の実などを封じこめた、ユーモラスな「音具」を紹介する予定です。

INAXギャラリー大阪




注/展覧会図録は刊行していません



会 期 (終 了)
ギャラリー大阪
1988年9月



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