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自動販売機展
−マシン時代の道化師たち−

ごあいさつ

私たちの身近な、ありとあらゆる場所にあふれている自動販売機。20人に1台 とは、 日本での自動販売機の普及台数ですが、これは世界でも例をみない、日本特有の現象です。 なぜこんなに自動販売機が街をおおいつくすほどに普及したのか。街中にあふれていて、どうしても気になってしまう "ちょっと変な" 自動販売機への野次馬的興味からこの企画はスタートしました。

自動販売機の起源は、紀元前219年にギリシャでつくられた聖水の自販機にまでさかのぼります。 その後も、さまざまな自動機械が発明されましたが、自動販売機は最後まで自動機械になりきれなかった。 それは、コインを入れ、選択し、物が出てくるという一連の動きが、本来、人間の介在なしに成立するものではなかったからです。

さらに自動販売機が急速に伸びてきた背景には、合理化、省力化といった経済的な要因、販売形態の変化も見逃せません。 また、自動販売機は私たちの消費生活を、紙幣からコインへと変えてきた。 価値の均一化、コイン文化を促進してきたのも、ほかならぬ自動販売機です。

自動販売機は複雑に絡みあった要因の中で、ずっと宙ぶらりん状態のまま、街のはざまを、欲望のはざまを、そして経済構造のはざまを、漂流し続けているように感じられます。

しかし、工業デザインとは一見、無縁にみえる自動販売機を解析していくことで、おびただしい "もの" が成立している、その背後のさまざまな構造が垣間見えてくるような気がします。 これも、デザインを考えていく上での貴重な資料となるのではないでしょうか。

会場には、世界最古の聖水の自動販売機の復元モデル、なつかしい10円の噴水ジュース自販機などのほか、デザイナーのレンダリング・スケッチもあわせて展示し、自動販売機と工業デザインの接点を立体的に展開します。

INAXギャラリー


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図録・BOOKLET『 自動販売機』(在庫切れ)
INAX出版が発行する建築とデザインを探検するシリーズ




会 期 (終 了)
ギャラリー名古屋
1988年10月〜12月


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