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庄司達 展
−クロース・レリーフ−

ごあいさつ

1989年2月INAXギャラリー大阪、今年最初の現代アートは名古屋市在住の作家、庄司達氏の布による造形「クロース・レリーフ」を開催致します。 庄司さんの作品としての布との出会いは、20年前の名古屋市立工芸高校の教諭時代に溯ります。 学校の購買部でうず高く積んで売られていた白いハンカチ。 この白いハンカチに興味を抱き、一枚一枚間隔をあけて吊るしてみたり、木枠に糸で張ったりした最初の作品が、当時その新鮮さに大変な話題を呼びました。 布はそれ自身では彫刻的なものになりえないというそれまでの庄司さんの考えも一転し、布の可能性に着目し、その制作が始まりました。

以来、布を糸で吊るす「白い(赤い)布による空間」シリーズ、布を垂らす「垂れ布」、「懸垂」シリーズなど新しい試みを次々に展開。 2年前の東京のINAXギャラリーの個展では、壁から画廊いっぱいに水平に張った布の上下、天井と床から幾本もの先の尖った細い棒が支えている「空間の誘導」シリーズを発表しました。 それはまるで波立つ海面のようでもあり、広大な砂漠で風がつくる鋭い砂丘のようにも見え、布と細い棒による緊張感は、やわらかなものが張りつめた時の美しさを、あますところなく表現していました。

今展では、これまでの庄司さんの仕事と平行して、昨年の宮城県立美術館等のアートカイト(凧)展の出品をきっかけに進めて来られた新作約10点をご覧いただく予定です。 庄司さんの中に眠っていた凧が持つ構造や空間性、色彩のイメージが、SHOJI KITEと名づけられて会場の壁面に浮かびます。 作品は、細い竹の枠に張られた布の真ん中をその裏から棒で強く突き上げたもので、張る・突くという作用による、庄司さんならではの美しいシルエットを見せてくれます。布は半透明と鮮やかな色彩のコンビネーションで、その対比にもハッとさせられます。

INAXギャラリー大阪




注/展覧会図録は刊行していません



会 期 (終 了)
ギャラリー大阪
1989年2月



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