ごあいさつ

本展では、誕生以来今年（開催年1989年）で23年目を迎える着せ替え人形、「リカちゃん」のおうちをとりあげました。 題して「リカちゃんハウスの博覧会」。
この22年の間に、「リカちゃん」は何回か変身しましたが、「リカちゃんハウス」も時代の流れにそうように、さまざまに変化してきました。間数が次第に増え、屋上つきハウスやマンションも登場。間取りがそのままハウスになったような３ＬＤＫや４ＬＤＫ，さらには億ションまでできて、リカちゃんのおうちはとてもリアルになりました。
「こんなお家があったなら」、「こんなお部屋が欲しい」 …リカちゃんハウスには、少女の夢が具現化されているのかも知れません。しかし、少女に夢を買い与える大人たちの切なる“マイホーム・ドリーム”が時代ごとに、そこに映し出されているような気がしてなりません。 リカちゃんハウスの22年間を辿りながら、私たちの夢みた居住空間とは何であったのかを考えてみたいと思います。

監修は日本女子大学教授・増渕宗一先生 (1989年開催当時)。 増渕先生のご専門は人形論ですが、誕生以来の「リカちゃん」とその周辺について研究してこられました。 展示物の全んどは増渕先生のコレクションによるものです。 展示に当たっては、株式会社タカラより資料提供等、ご協力をいただきました。 この場を厚く御礼申上げます。

会場には、ハウスや人形、ハウスのバリエーションのショップやファニチャー等を、時代を追って展示しました。 リカちゃんグッズの数々に、高度成長以来の日本の住生活史を重ね合わることができた展覧会でした。

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