鉄とガラスとコンクリート。 近代建築の素材の代名詞。ビルの外壁を覆い、ガレリアやアーケードで街をも被う、都市の皮膜。 現代の都市空間はガラスの存在を無くしては語れません。
ガラスはまた、建築そのものにさまざまな貌を与えてきました。 単なる採光という機能だけでなく、装飾として、あるいはある種の独特な雰囲気を演出する装置として。
本展では、この光を透過する人工的な素材をとりあげました。 ガラスがどのように建築の中に取り入れられてきたか。 中世以来、連綿と手工業でつくり出されているステンドグラスをはじめ、住宅の窓やドアに嵌め込まれたブリストルグラスやエッチンググラスを通してご覧いただきます。

展示にあたっては、関係者の方々より貴重な資料の提供等、多大なご協力をいただきました。 この場を借りて厚くお礼申し上げます。
「ガラスのような」とは、冷たい、鋭い、あるいはこわれやすいことを形容する言葉です。 しかし、建物の中でのガラスはもっと豊かな表情をしています。 ガラスの表情が建築に与える効果、建物の中でガラスがどんな役割を果たしてきたのか、ご一考いただければと思います。

INAXギャラリー

■ 図録・BOOKLET
『ガラスと建築』
・・・ INAX出版が発行する建築とデザインを探検するシリーズ