宇治平等院の鳳凰堂、金閣寺や法隆寺、いずれも日本の代表的な建築物。それらを模したパビリアンが異国の空の下にそびえ立つ････。 最近の "博覧会ブーム" の中、海外の万国博覧会に出展した日本館に焦点をしぼった展覧会を開催します。 題して「万国博の日本館」。
万国博覧会は当初より、常に新しい産業技術の発表と実験の場でした。 博覧会のパビリオンもその例にもれず時代の最新技術とデザインを駆使してつくられた建物でした。 万国博に参加する国々はパビリオンを通して自国の富と独自性を競ってアピールし合いました。

そんな中で日本は、1873年のウィーン万博に正式に参加して以来、長い間伝統的な建築様式に固執し続けます。
万国博の日本館―それは、西欧で生まれた万国博に東方の小国から海を越えて参加する日本の精一杯の自己主張であり、海外に向けての貌でもあったはずです。

展示では、2つの世界大戦をはさみ百余年に及ぶ日本館の変遷をご紹介します。
監修は、万国博研究の第一人者、京都大学名誉教授・吉田光邦先生にお願いしました。 先生には幅広い御視野のもと、種々ご教示を賜りました。 また博覧会研究家・寺下勍氏、新聞文化資料館長・中谷作次氏には、その膨大なコレクションの中から本展のために何点かをピックアップし、ご提供下さるとともに資料作成について多大なご尽力を頂きました。
万国博という仮設の舞台で、日本はどんな貌を見せてきたのか、時代を追ってご覧いただければと思います。

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