INAXギャラリー大阪では、これまでの建築とその周辺をめぐる企画に加え、年に4回、特に関西の市井の生活とその文化に焦点をあて、遊び心あふれる視点からの企画をご覧い ただくことになりました。まず最初のスタートは、今展の　−みんなが集めて65年−「グリコのおまけ展」です。

「一粒300メートル」という名コピーと共に、両手をあげてゴールにとび込むランニング姿の若者。 誰もが知っているこのマークの誕生は、ロングランを続けるキャラメル菓子「グリコ」とそのおまけの歴史の始まりでもありました。
思い起こせば、幼心にワクワクドキドキしながら、キャラメルをほおばるよりも先に、おまけの小箱を夢中で開けた方も多いことでしょう。 お菓子とおまけの両方が楽しめて、次々に創意工夫が凝らされてきたグリコに、子供たちは魅了され続けて来ました。

本展では、主にグリコのおまけが本格化した昭和2年から、戦前・戦中・戦後、現在に至るまでのおまけの変遷を辿り、さまざまな角度から再考します。 小さなもの、ミニチュアが持つ魅力もさることながら、日本の「モノから見た現代史」がこの小さなおまけから見えてきます。
展示では、江崎グリコ株式会社並びにグリコピア神戸をはじめ関係者各位、そして昭和10年に江崎グリコに入社以来、おまけの考案者として貢献された宮本順三氏に多大なご協力をいただきました。厚く御礼申し上げます。

子供の頃、夢にまで見た「グリコのおまけ」に今やっとこの会場で出会えるかも知れません。どうぞごゆっくりご覧下さい。

INAXギャラリー大阪