KIOSK
−駅の世相店−
ごあいさつ KIOSK (キヨスク) … お馴染みの、駅の売店です。トルコ語で四阿 (あずまや) を意味し、ヨーロッパに入ってイスラム圏の四阿に似た簡便な構造の露店や屋外施設を指しました。 日本では、1973年に鉄道弘済会が国鉄(現在のJR)の駅構内にある売店をロシア語によってキヨスクと呼んで以来、固有の名称としてはもちろん「駅の売店」という意味で一般的に用いられることもあります。 キヨスクの存在は、私たちの生活に深く入り込んでいます。 忙しく行き交う人が足を止めるとき、そこは束の間の休息の場です。新製品の動向をうらなう重要ポイントでもあり、しばしばヒットの火付け役ともなります。 経済、政治、スポーツ、芸能……次々に生まれる最新の話題やニュースもここで手に入ります。いろいろな意味で、駅の売店は、最先端の情報BOXなのです。 別の視点から見れば、客の日常の要求に応えるバラエティにとんだ品揃えは生活必需品をほとんど網羅し、日本人の平均的な生活を浮かび上がらせます。 店舗自体を、大量の商品を効率よく収納した小さな建築としてみることも可能です。多種多様な商品は、陳列方法にも工夫が凝らされ、パッケージデザインの宝庫でもあるのです。 さて、全国に4000ヵ所 (1989年時) を超す売店も徐々に様変わりしましたが、そのひとつ、LET'S KIOSKでは、1店舗当たり何種類の商品が並んでいるかをご存知でしょうか? 新聞、雑誌、菓子、飲料類はもちろん、ティッシュや傘、祝儀袋にネクタイなどなどの雑貨類など取り扱うアイテム数は約500、多いところでは600種類を数えます。 朝夕のラッシュ時は言うに及ばず、お客はひっきりなしです。 これを次々とさばいていくキヨスクの販売員は、ほとんどの商品の値段を記憶し、瞬時に計算し、複数の客と間違いなくお金とお釣のやり取りをし、品物を補充します。 次々とでる新製品や季節ごとに変わる商品への対応等々、実に複雑な作業をしています。 本展は、歴史や成り立ちばかりでなく、考現学的な視点から、商品や店舗について、また機能について考えました。 KIOSKという「箱」そのものをも大きなパッケージ・デザインとみなし、今までにない切り口から見つめなおした展覧会です。 INAXギャラリー |
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図録・BOOKLET『
KIOSK』(在庫切れ) INAX出版が発行する建築とデザインを探検するシリーズ |
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1991年9月〜10月 | 1991年11月〜12月 | 1992年1月〜2月 |
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