木瓦と葱ぼうず展
−ロシア・ノルウェー・フィンランドの木造建築−
ごあいさつ 天に向かって玉葱形の屋根をいくつもいただく、おとぎ話にでてくるような小さな木の教会。一見うろこでおおわれたようにみえる屋根は、ひとつひとつが1本の斧から削りだされた木の瓦を、木の釘でとめ付けて構成されています。 美しい銀色は彩色したものではなく、素木のままで、長い年月、雪や雨風に晒されて輝きをはなつようになったものです。壁は丸太を組んで、ログハウスのようにつくられていますが、この丸太は鋸を使わずに斧で切られています。斧を使うと切り口が潰れて木と木の密着がよく、流れでる樹液が染み込んで、防寒の役割をもはたすのです。 北ロシア、カレリア地方は国土の60%が森林で、このような木造建築の宝庫といわれますが、この土地と地続きのフィンランドや、ノルウェーにも同じように木瓦屋根とログハウスの教会や民家が多くみられます。バイキングの伝統をあちこちに残すこれらの国の人々は、木の家に住み、家具や食器、揺籠や墓標も木でつくる文字通り木とはきってもきれない生活をしてきました。
この展覧会では、木瓦と丸太組みによる寒い国々で生れ、育まれてきた独特の木造建築を紹介しました。その背後にある、豊かな木の文化と精神文化に触れることによって、森の国・木の民への興味を深めていただけたと思います。
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ギャラリー1 | ギャラリー大阪 |
1992年1月〜3月 | 1992年4月〜5月 |
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