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天辺のモード
−かつらと装飾−

ごあいさつ

洋の東西を問わず、古来から人々は髪型に並々ならぬ関心を示し、さまざまな工夫と装飾を施してきました。 それらの中で、奇妙な存在感を放つ "天辺のモード" ―それがかつらです。
古代から現代に至る多くの時代を通じ、人々はさまざまな目的にかつらを用いてきました。 帽子とも、また髪飾りとも違うかつらの意味や役割は、その間に大きく変化を遂げています。
権威の象徴、モードの先端、変身の小道具―。このかつらについてその素材や製法に触れながら考察します。

かつらは、その製作工程のほとんどが手仕事です。
全頭かつらを作る場合、まず個人の頭の形に合わせ、アルミニウム板、銅板などを使って、台金(だいがね)とよばれる土台を作ります。 この台金をもとに、数ヶ所の部位に分けた網に、編み物のかぎ針に似た道具を使って植毛します。 最も多い所で、3,3平方cmに600〜800回結び付けます。 結び方にも幾通りかあり、毛の流れや、立ち上がり方により変えていきます。
長い歴史の間に、素材も随分変わりました。 つる草やしゅろなどの繊維に始まり、馬や豚などの獣毛、麻や絹糸、それに人毛はもちろん、最近では、ナイロンなど合成繊維の種類も増え、アミノ酸を原料とした人工毛の開発も進んでいます。
今展では、18世紀ヨーロッパや、日本髪の変遷を辿る鬘雛型をはじめ、現在でもイギリスで使用されている裁判官、弁護士用のかつらや、かつら製作の各工程見本と道具一式などを展示します。 華やかなモードの裏側で、人々の希いや憧れが紡ぎだしたかつらの不思議な世界。そこからかつらの未来に思いをめぐらすのも一興かもしれません。

INAXギャラリー




図録・BOOKLET『 天辺のモード
INAX出版が発行する建築とデザインを探検するシリーズ



会 期 (終 了)
ギャラリー名古屋
1993年3月〜5月



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