ごあいさつ

関西周辺には、近代の香り高い建築文化をあらためて思いおこさせてくれる見事な建造物が数多く残されています。 途方もない情熱の先達たちが叡智を傾け、築きあげてきたこれらの遺産は、無言のうちに私たちに多くのことを語りかけてくれます。
今展では詩人倉橋健一氏と写真家細川和昭氏の両氏が訪ね歩いた36の建造物を紹介致します。

これらの中には現在ではもう使われなくなったものや、記念館となってしまったものもありますが、決して過去の遺物ということだけではありません。 建築的な意味あいはもちろんのこと、時代や風土、そしてそこで起こった出来事や人々の交流の思い出がぎっしりとつまった「夢の軌跡」として佇んでいるのです。

詩人と写真家の魂がふれたその言葉とまなざしによって、建物たちの貌があらたに輝き出しました。
今展は近畿建築士会協議会発行の雑誌「hiroba」の連載をもとに展覧会に構成したものです。

多大なるご協力を頂きました詩人倉橋健一氏、写真家細川和昭氏、そして近畿建築士会協議会の皆様には、この場をかりて心より厚くお礼申し上げます。

INAXギャラリー大阪