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階段物語り展


ごあいさつ

建築を語る上で欠くことのできない部位の一つ「階段」。
西洋建築の長い歴史をもつ、多彩な素材とデザインの階段から収納という機能も備えた日本の箱階段まで、地域や時代の表情も実に多様です。 形状もギリシアの野外劇場の円形階段、日本の社寺の直線のきざはし、円を描くように昇降する螺旋階段、降りる人と昇る人が顔を合わせながらも階段上で行き交うことのない二重階段・・・などさまざまです。
この階段という装置は、昇降という本来の役割と同時に、空間にダイナミックな構成美をつくり出し、権威の象徴や儀式の舞台として、また演劇や文学においては登場人物の心理描写や時間の流れをも演出してきました。

近年、都市の高層建築にはエレベーターやエスカレーターを用いるのがあたりまえとなり、昇降の機能は飛躍的に便利になりました。 しかしそんな建築にも必ず階段は存在します。便利さよりもその建築のイメージや象徴としてあえて階段をメインに設計することも数多くあります。 フラットな建物をのぞいてはほとんどの建築物にある階段、野外では自然の起伏をつなぐ階段、それらが今回のテーマです。

日本の寺院建築で、高く離れた位置に建てられた塔や本堂までの長い道のりを階段でつなぐという形式や、西洋の城の豪華な装飾がほどこされた階段室や、迷路のように四方八方に作られた階段などを見ると、洋の東西をとわず数段先は光りか闇かとも思わせる謎めいた場所として、人々が階段に対して機能だけではない心理的な何かを託してきたのを実感させられます。

今まで建物の一部として、あたりまえすぎてあえて語られることの少なかった階段にスポットをあて、その形態、機能、歴史、デザインはもとより、階段のもつ意味や象徴、人間の心理と階段の関係までをとりあげ、多角的な視点から考察していきます。

INAXギャラリー

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図録・BOOKLET 『 階段物語り 』(在庫切れ)
INAX出版が発行する建築とデザインを探検するシリーズ


会 期 (終 了)
ギャラリー1
1993年12月〜1994年2月



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