gallery

−なつかしのモダンデザイン−
大阪・松竹座展

ごあいさつ

大阪の道頓堀五座の櫓を西へ飛んで戎橋南詰めに、大正12年5月17日、松竹合名社によって初めての様式劇場「松竹座」が新築落成しました。
ドイツ映画「ファラオの恋」を封切りに、次々に上映された外国からの新しい映画の名作や、松竹楽劇部 (OSKの前身) のレビュー、海外からの舞踊や人気俳優 (市川猿之助・井上正夫・水谷八重子・岡田嘉子・花柳章太郎 等) の実演などは、当時の多くの若い人々の心をとらえ、この劇場にたびたび足を運ばせるほどの感動と刺激を与えました。
大正末から昭和のはじめに青春を迎えた大阪の人々には、その思い出と興奮はひとしおです。

戦前・戦後の狂瀾怒涛の暗い最中でも、松竹座の存在は大阪庶民の心を慰め、楽しませた夢の劇場でした。
その上、「松竹座」といえば劇場の建物だけについても、当時の最新の設備、デザインとその風格は、それ自体が文化的ステータスシンボルを誇っていたといっても過言ではありません。
ミラノスカラ座をモデルにしたこの格調ある建物は、日本で初めての鉄骨・鉄筋のコンクリートの映画館として建てられました。設計は、劇場設計の名手といわれた木村得三郎(1890−1958)。 現存する様式劇場(ネオ・ルネッサンス)では最も古く美しい建物のひとつとされています。
大正デモクラシーの波も高潮してきた時代を背景に、松竹座は誕生し、直輸入の西欧化をこの大阪にもたらしてきました。

本展では、当時のポスターやパンフレット、雑誌類など多くのペーパービジュアルや建築資料など、様々な視点からの劇場をめぐるデザインをもとに、改めて劇場「松竹座」の残した功績とその文化を巡ります。

尚、本展開催にあたり関係者の方々に多大なるご協力を賜りました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

INAXギャラリー大阪



本ウェブサイトからの無断転載を禁じます




図録(リーフレット)は在庫切です



会 期 (終 了)
ギャラリー大阪
1994年5月1日〜5月31日



INAXギャラリー 過去の展覧会記録




INAX CULTURE INFORMATION
http://www.inax.co.jp/Culture/culture.html

ギャラリーへのご意見、ご感想、お問い合わせ等はこちら
E-mail : xbn@i2.inax.co.jp

本ウェブサイトからの無断転載を禁じます

symbol
 Copyright(C) INAX Corporation
 http://www.inax.co.jp