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ビオトープ考
― つくる自然・ふやす生態 ―



緑ゆたかなこの季節、現代社会における人間と動植物との共存について、一つのアイデアをご紹介します。
「ビオトープ(biotope)」−この言葉は「生命」をあらわす "bio" と、「場所」を意味する "topos" との合成語で、訳せば、「生命の生息する場所」となります。
現代の都市環境の中に、人工的に工夫され、創り出された安息の地・ビオトープの、基本的な考え方、具体的な方法とは一体どんなものなのでしょうか。

ビオトープを考える上でのキーワードは、「多孔性」です。 近代文明が作り上げてきた無機的・閉鎖的な環境の中に、もう一度、曖昧模糊としたなかにも豊饒な生産力をもつ「あな・すきま」を取り戻そう、というのがその基本的な考え方のひとつです。
例えば、水辺なら、底に土管や蛇籠(網に石をつめたもの)を沈めてみたり、地面なら、土を盛り上げて穴をあけてみたり…。 そうして作られた場所には、やがて草が生え、虫が飛び、ひとつの生態系が生まれます。

本展は、時代へのメッセージです。
それは、環境・生態にとどまらず、人間の思考の中にも、混沌とした無秩序のもつ豊かさ、たくましさ、多様性を再認識し、そこから生まれる新たな生命 (=価値) に可能性を求めようとするものです。


会場写真

会場写真

会場写真 なお、開催にあたり、監修の杉山恵一先生 (静岡大学教授※当時) 、会場施工の富士見グリーンエンジニアリング株式会社をはじめ、多勢の皆様にご協力をいただきました。
改めて、厚く御礼申し上げます。

INAXギャラリー名古屋





会場写真撮影:早川宏一(3点とも)


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図録・BOOKLET『 ビオトープ考
INAX出版が発行する建築とデザインを探検するシリーズ



会 期 (終 了)
ギャラリー名古屋

1995年6月5日(月)〜8月20日(日)



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