ごあいさつ

遥か昔、人類が群として独立した頃すでに、大切なものをより長く貯蔵し、仲間と分けあい、より遠くへと運ぶために、「包」という行為が生まれていました。
一方「装」という字が示すように、包装という概念は、包まれるものを美しく飾り整える意味をもっています。 卵や納豆の藁づとに代表される日本古来のパッケージは、日本人特有の自然観や、手技を活かした生活の知恵、温かい心がともに包まれています。

本展では、もはやわたしたちにとって不可欠となった「包装」を、さまざまな包装材料や包むかたちから改めて見つめ直します。

現在の包装技術には、私たちの目に見えないところで最新のテクノロジーが駆使されています。
たとえば素材。遮光性、耐熱性、ガスバリアー性、防錆など内容物と包装の用途にあわせて特殊加工を施したフィルム、紙、段ボールなどが、単体であるいは組み合わされて、あらゆる包装の場面で活躍しています。
包むことによって、わたしたちは包まれる内容物の存在を深く理解し、特性をより明確に知ることもできるのです。

会場では、なぜその包材が使われているのか、どんな技法や工夫があるのか、包みを解くと同時に包装を取り巻く謎解きにも挑戦します。
パッキング・マジックをお楽しみください。

尚、本展に際し、多くの皆様のご指導とご協力を賜わりました。 改めて、厚く御礼申し上げます。

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