七福神の中でも「商売繁昌」の神えびすさまは、商都大阪では「えべっさん」の愛称で親しまれています。
1995年10月、INAXギャラリー大阪では「招福えべっさん」展を開催し、えびす神像やえびすにちなんだ縁起物を展観いたしました。
この時の展覧会の監修をされた廣瀬久也氏(神戸芸術工科大学)は、広告マーケティングの見地から開運をもたらす神々の研究を行い、「商売繁昌」の神頼みについて全国のえびす神を調べました。
その研究の中で出会った滋賀県八日市・市神神社で、500体以上ものえびす大黒像が集まっていたことを発見したのです。

これは昭和30年代より、在家でお祭りする人のいなくなったえびす大黒像を放置するのはしのびないと、神社にひとつまたひとつと持ち込まれるようになったことに発しました。

市神神社はご本尊にえびす神を信仰する「商売繁昌」の神社として聖徳太子が八日市とともに開いた神社です。
今展では市神神社宮司 中嶋高名氏にご協力をいただきまして、市神神社のえびす大黒神像のうち百体あまりを会場にお迎えすることができました。

その起源と成り立ちの神話を読み解き、ユーモラスな姿態と愛敬いっぱいの表情に庶民が繁栄を願った吉祥の図像をご覧ください。
百体もの神さまにご対面できるまたとない機会です。どうぞ皆さまに幸多いことをお祈りいたします。

展示にあたっては、市神神社をはじめ、関係の皆様方のご協力をいただきました。
この場を借りてあつく御礼もうしあげます。

INAXギャラリー

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会期中、1Fの ブックギャラリーで開催されました