2001年11月 ご紹介 | |
津田塾、武蔵野美術、一橋など大学や高校が数多く、日中は学生で賑わう西武国分寺線鷹の台駅。 そんな駅前にある松明堂書店は、1F、2Fを合わせて50坪ほどですが、個性的な品揃えが光る本屋さんです。 地下には個展や集会も行なわれるギャラリー「Shomeido hall」を併設しています。
1Fは、雑誌、新刊、文芸書、ビジネス書、旅行書、文庫が中心で、2Fにコミック、学習参考書、美術書などが置かれています。
雑誌は一般誌から専門誌まで、鉄道、天文、建築・インテリア、デザイン・ART、俳句、写真集と、冊数は少ないものの点数多く揃えています。
また『confort』『AXIS』 『SWITCH』『別冊太陽』のバックナンバーもあります。
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お店の入口には、手書きの凝ったPOPが貼られ、おススメ本が一目でわかります。
「けっこう作るのが好き」という店長の志賀さんの力作です。
以前は書店のホームページ上でも、ジャンルを問わず必ず1冊読破した本の書評を公開していました(現在は休止中)。
店長は、専門書の品揃えに定評のある都内の書店で仕入の目とカンを鍛え、こちらのお店に移って12年めになります。 それまでは割と平凡な品揃えだったそうですが、売れた本の集計結果などを参考に、これぞと思う本を置き始めると、面白いように反応が返ってきたそうです。 高い本でも内容が優れてるものは構わず売れるそうです 「基本的に、お客さんに合わせたものを置いているだけ」だそうで、「郊外の立地とか店の規模とか、"固定観念"を外して考えることが大事」なのだといいます。 |
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(クリック!) 店長イチオシの棚 |
通常の新刊は、書籍の取次会社からある程度は自動的に納品されますが、点数や冊数が限られ、量、質ともに充分ではありません。 店頭業務の合間を見て、仕入れる本を決める時間は、店長にとって至福のひとときです。 出版社からの新刊案内を前に、耳に入ってきたお客さん達の会話を思い出しながら、「喩えるなら馬券を買うような気分」で冊数を決めてゆきます。 とはいえ「あのお客さんにはきっとこの本」と予想して仕入れ、目に付くように置いても、反応なく素通りされることもあるそうですが、「何故なんだろう?」と悩むのもまた楽しいといいます。 またこちらのお店では、ユニークな自費出版書の持ち込みを歓迎しています。 最近では、大学の民俗学の先生が出したものを置いたところ、思った以上に良く売れたそうです。 もちろん置ける本には限りがあり、「こんな本ない?」とお客さんから尋ねられるのも度々ですが、そんなコミュニケーションから、お客さんの好みも判り、仕入にも役立ちます。 また絶えず棚をリフレッシュしていくことも、できるようでなかなか難しいものです。 もともと本好きのお客さんが多かったこと、逆にこの規模だからできること、など条件が上手くマッチして、「大型店にはできない棚作り」に成功しています。 しかし当の店長は「あまり期待してお越しにならないでください。裏切ってしまうと申し訳ないので」と謙遜されます。 INAX出版の本は、昨年夏から新刊の注文を戴くようになりました。 きっかけは店長がINAXギャラリー企画展会場をたまたま訪れたことでした。 展覧会図録であるINAX BOOKLET『草のちから、藁の家』や『林丈二的考現学』などを試しに置いてみたところ、お客さんの反応があり、それ以来のお付き合いになります。 バックナンバーは置いてありませんが、1冊1冊をじっくり販売して戴いています。 お店には幅広い年齢層のお客さんが途切れなく訪れ、夜6〜7時頃になると帰宅途中の会社員で混雑のピークを迎えます。 本好きの方が多い、ほとんどが地元の常連さんに支えられた書店です。 |
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カバーは望月通陽氏のデザイン |
「Shomeido hall」ロゴデザインも 望月通陽氏によるもの |
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