本のヒロタ 梅ヶ丘本店

2003年06月 ご紹介

今回ご紹介する本のヒロタ梅ヶ丘本店は、新宿駅から小田急線各駅停車で8駅の梅ヶ丘にあります。渋谷行きのバスが発着する駅前商店街は、いつ営業に行っても何処かのんびりとしています。雑誌でよく取り上げられるケーキ・ショップを横目に、行列のできる店として有名な寿司屋の前を通り過ぎ、次の角を右に曲がった先、駅から徒歩1分の距離にある、いわゆる町の本屋さんです。 80年代後半に8坪でスタートし、徐々に店鋪面積を広げたり、喜多見や経堂にも支店を広げました。 梅ヶ丘店は昨春から約一年かけて店の入っていたマンションの建て替え工事があり、その間、10坪ほどの仮店舗で営業していましたが、今年2003年4月5日、書籍だけでなくレンタルビデオも取り扱う複合店としてリニューアル・オープンしました。出版営業日誌では99年6月に一度ご紹介していますが、内容を一新してお届けします。

70坪と以前より広くなった売場面積のうち、1/2強の45坪が本屋のスペースです。書棚は以前よりも高くなりました。 店は中央の段差で大きく2つに分かれていて、店の入口側（レジ）側と奥とでは、置いている商品も異なります。 天井の高い手前の側は女性関連雑誌が中心です。一般誌のほか、健康や育児の関連雑誌や女性コミックなどが置かれています。他にも絵本や伝記などの児童向け書籍もあり、女性のお客様をかなり意識した商品構成です。店の出入口も段差がなく、ベビー・カーを押して悠々と入って来られます。 料理関連書が表紙を見せて並んでいる中央の棚からは、昔の梅ヶ丘店の雰囲気が感じられました。 フロア中央の階段、あるいはレンタルビデオの置かれた右側からスロープを降りると、『中央公論』や『諸君！』、『すばる』などの小説雑誌や、車、バイクや航空、アウトドア、カメラ、鉄道など、主に男性向けの雑誌類が置かれています。スポーツ誌はサッカー、野球はもちろん、プロレス、空手、スキーやサーフィン…などなど実に多種多様です。このほかファッション、映画や音楽、美術手帳『BT』、アニメーションやフュギア系、コンピュータ・パソコン誌などもあります。 女性誌・男性誌とも、近くのコンビニに置いていないもの、新宿などにある大型書店まで行かないとなかなか手に入らない雑誌類をよく揃えています。点数はかなり多く、棚には雑誌の表紙が僅かに見える程度でギッシリと並んでいます。

書籍は文芸書や文庫をはじめ、地図や旅行の本スピーチの実例集や語学検定、ペットの飼い方など実用書が中心です。周辺に住むお客様が「あのテの本が欲しいな」と思った時に、サンダルでもつっかけて、ふらりと訪れる、そんなイメージが棚を眺めているうちに浮かびました。「地元に密着した、地域に貢献できる書店を目指している」という店長さんの言葉も同時に思い出しました。 以前から終電時間にあわせていた営業時間もこの4月から更に延長し、午前2時まで開いています。ちなみに隣接するコインランドリーも同じ経営で、こちらは深夜1時までやっています。 奥のフロアからレジへ向かう途中、左へ抜ける緩やかなスロープがあります。こちらは実用書の枠を越えた趣味の本が置かれたコーナーです。INAXのBOOKLETシリーズはこちらに置かれています。左のパーティション側は、写真集やBOOKLETなどのビジュアル本が表紙を見せてゆったりと並び、右側の棚には、囲碁将棋や将棋の本、骨董・アンティーク、芸術や映画批評の書籍などがセレクトされています。

INAX出版と梅ヶ丘本店との付き合いはかれこれ7年になります。あの当時は都内でも青山や神保町など限られた書店にしか、INAX出版の本は置かれておらず、そちらでBOOKLETを見た店長さんが「ウチの店でも置いてみよう」と注文したのがきっかけでした。以来、BOOKLETは新刊毎にお願いするようになり、今は70点ほどあるバックナンバーも揃っています。 お客様は今も昔も地元の方が中心です。混んでくるはやはり夕方以降から、都心から人が戻ってくる夜にかけてです。最近は近くにある国士舘大学の1、2年生が、他のキャンパスに移ってしまったのが痛いそうです。 本のヒロタ梅ヶ丘本店は、各駅停車の停まる駅そのままに、温かい風情のあるこの町の空気に溶け込んだ佇まいです。

本のヒロタ梅ヶ丘本店

〒154-0022
東京都世田谷区梅丘 1-20-14
TEL : 03-5477-8887
FAX : 　同上

営業時間 : 午前10時〜深夜2時
年中無休