スフェラ・アーカイヴ（SferaArchive）

2003年07月 ご紹介

京都・祇園にニューオープンしたスフェラ・ビル（SferaBuilding）。四条大橋から鴨川を北に眺めると、チタン製のパンチングメタルで覆われた美しい外観のビルが目をひきます。四条河原町から祇園に向かい、縄手通を三条方面に北上すればメインエントランス。もう一方、鴨川沿いの川端通から続く遊歩道「せせらぎの道」側にもエントランスが用意されています。この「せせらぎの道」に影を落とす木々の葉は、スフェラ・ビル全体のデザインの基調になっています。 スフェラ・ビルは前身のアートビルをリノベーションしてオープンしました。 正面入り口から階段を数段あがったところが1階スフェラ・ショップ（SferaShop）となり、輸入ものやオリジナルの食器や家具の販売をしています。ディスプレイを楽しみながら、その横を抜けるようにして白い階段を2階にあがると、そこがブックショップ・スペースのスフェラ・アーカイヴ（SferaArchive）です。 同じフロアの半分がエキシビション・スペースのスフェラ・エキシビション（SferaExhibition）になっています。 オープンにあわせ、このビルの改装にあたってインテリアを担当したスウェーデンの建築家CKR（モーテン・クラーソン、エーロ・コイヴィスト、ウーラ・ルーネ）の展覧会が開かれます（会期7/10より）。その他、地下1階と3、4階はレストランまたはカフェというように、このビル全体が「食と文化」を意識してつくられています。

2Fのブックショップは80平米のゆったりしたスペースに、大きな書棚が2本と平台が2台。多くの書籍は表紙を見せて展示されています。大きな作業テーブルとソファが置かれ、書店というよりはショールームのような印象を受けます。建築・インテリア・デザイン関連書が中心の品揃えで、INAX出版の『10+1』、『10+1Series』などが数点置かれています。 さて、京都は書店の激戦区です。河原町には丸善河原町店、ブックファースト京都店、メディアショップ、ジュンク堂書店京都店、少し離れて恵文社一乗寺店等々。SferaArchiveはどのようにして他の書店との差別化を図ろうとしているのでしょうか。 ここを運営する山崎泰寛さんと平塚桂さんにお話をうかがいました。 山崎さんは教育社会学専門の大学院生で、『10＋1』本誌や「WEB SITE 10＋1」でも執筆いただいています。平塚さんは京都在住、女性二人の建築ユニットとして人気のぽむ企画のお一人です。

お二人からは「すごく本の数が少ない書店」という思いがけない返事が返ってきました。和洋書合わせて書籍300冊、雑誌10冊という小規模であることを逆に強みとして、「この本はここにいけば必ずある」というようにしたいのだそうです。なぜなら「期待を裏切られるのがきらいだから」と。ここに来ればこの本があると思ってきてくださるお客さんの期待をうらぎらないよう、点数を少なくして、必ずあるようにしたい。また、店頭にある書籍・雑誌に関しては、ゆくゆくはネット上で在庫を公開する予定だそうです。 国内は30社くらいの出版社と直接取引きして仕入れているとのこと。手間をかけて、本も厳選して、「セレクトするタイトルのクオリティで勝負」です。 まだオープンして数日ですが、学生風の若者だけではなく、年輩のお客さんも足を運んでいるようです。 今後は、五十嵐太郎さんなど本の目利きの方をゲストリコメンダーとして、「その人がたどってきた書籍」を紹介したり、推薦コメントを店内やネットで紹介したり、海外からの情報も提供したり・・・とさまざまな展開を予定しているそうです。

スフェラ・アーカイヴ（SferaArchive）

〒605-0086
京都府京都市東山区縄手通り三条下ル3丁目弁財天町17
TEL : 075-532-1106
FAX : 075-532-1121

営業時間
平日 : 12時〜20時
金土・祝前日 : 12時〜23時
日祝 : 11時〜19時
水曜日休

e-mail： archive@ricordi-sfera.com
ホームページ： http://www.ricordi-sfera.com