山野千里展 ―セラミックフィギュア・空想劇場― 会期 : 2004年12月3日(金)〜12月23日(木) |
山野さんの作品は高さ10cmに満たない小さなフィギュアです。幼い男の子や素敵なスカートを履いたおじさん、魚や白熊、海女など、日本昔話や北欧神話に出てきそうな一場面が、白い半磁土と、艶やかな透明釉と、滲むようなシックでカラフルな色彩で、いきいきと表現されています。誰もが歓声をあげたくなるような愛くるしい作品です。でもよく見ると、険しい眉やとぼけた表情などちょっと複雑そうで、ユーモラスさの中にも苦味がのぞき、ファンシーで甘い表現とは一線を引いた大人びた視線でつくられています。
また展示の方法も、指で摘めるような1点1点を、高さ100cm程の細い台の上に乗せ、小さいながらもスポツトをいっぱいに浴びたように演出されて、劇場的な効果を上げています。 山野さんは現在、京都芸大大学院の院生です。昨年の学部の卒業制作展でもずば抜けて達者で繊細な技法で、これが土かと思わせる表現をみせていましたが、或る時、自分が小さなものに特に強く惹かれることに気付いてから、小さな作品をつくるようになりました。 「これ以外の大きさだと普通になってしまう」と話すとおりに、大きさと密度のバランスが絶妙です。2本の指で捻っただけのかたち、小指の先で刷り込んだ象嵌のラインは、たちまち生きものたちに瑞々しい表情を与え、誰でもない山野さんだけのエッセンスに満ち溢れるようになりました。 夏に開催した初めての個展も大人気を博しました。今展は東京での初個展となります。 |
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