くごう あい展 ―やきものthinking― 会期=2005年4月29日(金)〜5月30日(月) |
くごうさんの作品は、磁土でつくった照明やフェンス、建築物の装飾のようなかたちをした立体です。真っ白なものもあれば、一面カラフルな水玉が描かれているものもあり、工業製品のような端正さと、謎めいた寓意的なフォルムをあわせ持っています。それぞれ1m四方の大きさの作品を数点、点在させて会場を構成します。 白磁に淡いグレーで水玉が描かれている作品は、ギャラリーの白壁に掛けられ、そこに照明による同系色の影が落ちて、全てが一体化したように見えます。錯視を意識した作品で、土ややきものの持つ、重さや厚さを感じさせない存在感を表現しようとした、軽やかで華やかな作品です。 ベルトのバックル、花のつぼみのようなかたちを稜線だけで表現した作品は、「ooze...」(流れる、染み出る)とタイトルがつけられ、一筆描きや生クリームを搾り出したようなラインが、伸びやかで躍動的です。上から下へ、或いは下から上へ、赤、黄、緑、青、紫の、光の色のグラデーションが水玉につけられ、ポップなサインや広告を見ているような楽しさがあります。 くごうさんは技法も形態もさまざまな作品を作り出しますが、いつも意識と無意識の境界であらわれるものを作品にしたいと思ってきました。 たとえば色覚検査表の大小の水玉の集合体がきっかけの作品がありますが、イメージはどんどん広がって、やがては当初のイメージが消え、まるで違うものが生まれます。最近のモチーフ「回復」のひとつからは、ナースキャップを使った作品が生まれました。キャップと長い髪がうねり落ちるかたちは、磁器土の柔らかな質感と相まって有機的な強い存在感を感じさせます。 くごうさんは美術大学を卒業後、現在大学の非常勤講師などをしながら作品を発表し続けています。多様な作品から、真摯でやきものを試行し、思考していることを感じさせられます。 |
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