INAX PUBLICATION

INAX出版 営業日誌

INAX出版 の書籍が置いてある全国の書店をご紹介します(在庫の有無は書店にご確認下さい)。
このページは、INAX出版・営業担当者が毎月連載します


あゆみBooks田町店

2005年5月 ご紹介

店舗外観

箱根駅伝のコースでもある国道15線(第一京浜)沿いにオープンして間もなく丸4年、あゆみBooks田町店をご紹介します。 代々木店の店長がこちらに異動したと聞き、お邪魔してみると、レジ右横に、建築・藝術関係の棚をまさに作っているところでした。「未だ異動してきたばかりだし、棚が出来た頃にまた」とお約束しての今回の取材です。

店内

店内に入って、右側壁面は『るるぶ』など旅行ガイド書、手前が雑誌コーナー、その奥がコンピューター書の棚です。駅の反対側に大手広告代理店本社がある関係か、各情報誌が平積され、内容別に細かくINDEX表示されたビジネス書の棚に「流石は株に詳しい店長さんの店」と唸り、スポーツや園芸など趣味、冠婚葬祭や家庭医学が並んだ棚まできて、最初に「あれ?」と違和感を覚えました。あゆみBooksと言えば、早稲田など都内近郊に11店舗を展開し、人文系を厚く揃えているイメージがあったからです。意外に多い実用書の手前に絵本が置かれているのに気づいてまた「あれれ」。裏の棚にNHKのテキストブックが揃っているのを横目で流しつつ、新書、文庫、コミックの棚まで行き着く前に、「田町店はビジネス街の書店ではなく、街の本屋さんだったんだ」と今更ながらに気付きました。

「そうなんです。地元に住んでる方が意外に多くて、お客様の幅がとにかく広いんですよ」と云うのは店長。お客様だけでなく、店の前を歩いている人々を見ても、「代々木とは全く違う」そうです。話を聞きながら頭の中に周辺地図を広げてみると、田町は慶應大学はじめ学校が多く、また企業の本社ビルも建っています。書店の裏手には建築会館があり、そこから坂道を上がって行けば、三田、麻布と続く古くからある住宅街です。南側に白金や高輪を控え、レジでの精算の際、財布からクレジット・カードが何枚も出て来るお客様が多い、というのも頷けます。田町駅周辺は再開発が進み、一棟800戸を越えるという高層マンションが建設中で、それが店先からも見えました。裏手には病院もあり、おじいさん、おばあさんから高中小学生、ベビーカーを押した若い女性、サラリーマンと、文字通り老若男女のお客様が、この70坪ほどの店にお越しになります。

田町には同じ西口の駅前に老舗書店があり、線路を挟んだ反対側にも9年前から先行する競合店があります。「置きたくても置けない商品を云ったらキリがない。学生参考書の在庫問い合わせもよく受けるが、置くとなると赤本(大学入試過去問題集)も揃えないといけない。となれば棚が3本は要るが、じゃぁ何を3本減らすのか?」という選択になり、仕方なく「品揃えで敵わないものは割り切って、駅前の書店さんが三つ揃えならウチはソフトスーツで」と、ギリギリの線引きで競合店との差別化を図っています。せめて見やすく、買いやすく、と棚の下に小さく付けたINDEXや、建築・藝術関係書のコーナーを新たに設けたのは店長の発案です。

建築藝術関係書コーナー 建築藝術関係書コーナー 建築藝術関係書コーナー

INAX出版の書籍は開店当初から少しづつ置いて戴いていました。特集によっては『10+1』は初回納品冊数を売り切る事も。私共が勝手に頼みの綱としていた、建築会館を利用する方は実務系の方が多いと、今回の取材で初めて知りました。法規や積算資料など(INAXとは無縁の商品)が良く売れるそうですが、建築理工系の専門学校も近くにあるので、「先に建築会館内で行なわれたイベントで会場販売をしたので、読み物系を揃え始めたウチの書店にもっと足を運んで欲しい」と店長は期待をかけます。

実務書、建築雑誌、読み物の棚が今は店内3箇所に分かれており、可能ならば1箇所にまとめたいというのも店長の悩みの種です。とはいえ、店のレイアウトはそう簡単に変えられるものではなく、棚を1本作り変えるだけでも徹夜作業です。「まだまだ試行錯誤の段階。幅広く、ところどころは深く、しかし尖がり過ぎてもいけない。そのバランスが本当に難しい」と店長は言います。「結局のところ、書店は自然とお客様に育てて戴くことになる」と続いたコメントは、この出版営業日誌でよく耳にする声です。お客様の方が出ている本に詳しく、問合せ内容に耳を傾け、置いてみた商品に対する反応を見ているうちに、自然と店が出来上がってゆく、というものです。但し、スタッフが「これはイケる」と気合を入れて置いてみても、それが独り善がりだとお客様にそっぽを向かれてしまいますし、しかし別の場所の別の店では、それが飛ぶように売れたりもするのです。本というものはホントウに不思議です。

文庫平台 「最近良く売れた本は?」の問いに、入り口横の新刊台とレジ前に積まれている新書『個人情報保護』(日本経済新聞社)が筆頭に上りました。価格が手頃だったのも大きいようですが、月に100冊売れたそうです。このほか、田町店ではコミックと文庫が非常に良く売れます。「特に文庫は担当者の熱意に負うところが大きい」と聞き、棚を見に行くと、成る程、内容を紹介したコメント付きの手書きPOPがビッシリと並んでいて、中には「当店累計700冊突破!」の文字も。おススメ文庫の幾つかを手に取り、奥付を確認すると、さして最近の本でもなく、「本はこうやって書店員さんの手によって売られていくのだなぁ」としみじみ実感しました。
店内

取材を終え、写真を撮ろうと事務所の外に出てみると、店内はお客様でいっぱいでした。ランドセルを背負った小学生、その子が「ママァ」と走って行った先には若い母親、ファッション誌を友達同士で見ている女子高生、仕事帰りの会社員、フラリと立ち寄った風のご近所の常連さん。時計の針は「混雑が始まる時間帯」と聞いたばかりの夜6時過ぎ。「周辺に飲み屋さんがたくさんあるので、結構皆さん夜遅くまでいらっしゃいますよ」と店長さん。これから閉店の23時まで混雑は続き、早くもレジには列が出来ていました。


あゆみBooks 田町店

東京都港区芝 5-31-19 田町全日空ビル1F (108-0014)
TEL : 03-5730-1342
FAX : 03-5730-1349

平日営業時間:8時半〜23時 土日営業時間:9時〜23時 年中無休


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