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中瀬康志 展
-消えない地平-


中瀬康志
開催期間 2005年6月1日(水)〜6月28日(火)
休廊日 日祝日
時間 10:00〜18:00
入場料 無料

■ アーティスト・トーク ■
会場にて、制作のことなど
作家ご自身に語っていただきます。
6月1日(水) 18時〜19時 先着順、入場無料
(終了しています)

中瀬さんは80年代から活躍している彫刻家です。鉄や木、陶やFRP、時には民家と素材を選ばない作品づくりはスケールが大きく、いずれもはりつめたラインの美しさと量感が独特です。近年は神奈川県「フィールドワークスイン藤野」での制作と国際シンポジウム(1993〜)や、新潟県「妻有アートトリエンナーレ」で劇場の制作(2003)、青森県「国際芸術センター青森 (ACAC)AIR(アーティスト・イン・レジデンス)」(2003)など、社会や自然とコラボレーションをするかたちでの活動が増え、その世界が広がっています。
「妻有アートトリエンナーレ」の「儀明/劇場・倉」では、新潟県の儀明という場所の、山の中腹にある古い民家を劇場にリノベーションし、傾斜を利用して花道のような真っ赤なせりだしをつくりました。棚田の緑に浮かび上がる細長い廊下は緊張感に充ち、自然と交感するための神聖な飛び込み台のようで、そこで行われるダンスや文楽に不思議な影響を与えました。またビルの谷間に青い梯子数十台を7mほどの高さに折り重ねるように積んだ「仮設―空」(2003)も、暗い日陰からビルに四角く切り取られた青空へと疾走できそうな開放感を放ち、「消えた風景」(2004)では、高台に船の骨組みのようなかたちが木でつくられ、屹立するラインが空間をシャープに切り取り、清冽な印象でした。
中瀬さんはこのように自然の中で作品をつくるうちに、「つくりたい」という作家の欲望を再考するようになりました。その中で幾つかのキーワードを選び取ります。@量感がないこと Aシンメトリーや構成など彫刻的な要素がないこと Bつくることの傲慢さを捨てる C存在感を消す。今展の新作品はそうした中から生まれて来ました。1棟1棟手づくりをした(実際には現実の家を500棟以上写真撮影しています。)掌に乗るような小さな木の家が500棟近く、ギャラリーの壁にぐるりと並びます。「家並みがつくりだす線=地平線を人が見る時に感じる、ノスタルジー、家族、平和、内密な世界、情報社会、etcは人の数だけあります。確かに見える地平線。が、人はその場所に到達することはありません。それでも確かに存在する。生や死、絶望と希望、光と闇などの対比する概念の狭間に似て。」と話します。
2004年ACACの「自然との会話-私と自然の新たなる物語」展では、鉄のラインだけで100種類の器型をつくった中瀬さん。器に入れるもの、入れないもの、「器」は「家」でもあり、タイトルに込められた作品への想いは、今展へも繋がっています。
中瀬康志

中瀬康志「東京フラワー」

中瀬康志 中瀬康志


Nakase Koji 作家略歴
1955年 青森生まれ
1983年 東京芸術大学大学院終了
1986-88年 ベルリン美術大学(DAAD・ドイツ学術奨学生)
個展
1982年 Gアートギャラリー「枠の構造」(東京)  銀座絵画館「枠の構造」
1983年 Gアートギャラリー「解体と再生」 SQUATTERS'HOUSE GALLERY(千葉)
1984年 ギャラリールナミ(東京:'86,'89,'90,'92,'93)
1988年 ギャラリーROHO(ベルリン・ドイツ)
1990年 スペースMAP(東京):ギャラリーNAF(名古屋)
1991年 秋山画廊(東京:'94,'95,'96、'97、'00)  ギャラリー古川(東京)
1994年 横浜ガレリアベリーニの丘ギャラリー(横浜)
1999年 かわさきIBM市民ギャラリー(神奈川)
グループ展・他
1981年 「RADIAL・POINT] 彫刻の周縁から(東京芸大展示室・東京) 「RADIAL・POINT] 彫刻ー位置の設定(東京芸大展示室・東京)
1983年 所沢野外美術展(所沢航空記念公園・埼玉)  毎日現代美術展(東京・京都)     「EXCITINGU SCULPTURE」(神奈川県民ギャラリー) 「人口呼吸」(画廊パレルゴン・東京)
1984年 「同時代性への発話」展(埼玉県立近代美術館) 「所以」ギャラリーK(東京) 「街とむらの展覧会」(倉敷市展示美術館・岡山)
1985年 「周遊券」展(西友ギャラリー・名古屋)  「街とむらの展覧会」(倉敷市展示美術館・岡山)     「KONTAKTA'85] 展(OAG-HAUS・ドイツ文化センター・東京)
1986年 「都市の視覚」(川上画廊・東京)
1988年 「ETAGEN KLANGE」(TELEFUNKENHAUS・ベルリン・ドイツ) 「KLASS」展(HdK・ベルリン・ドイツ) 「様々な視点」CHRISTOF WEBERギャラリー・ベルリン・ドイツ)
1989年 藤野野外彫刻展(神奈川)
1991年 「さまざまな眼」(かわさきIBM市民ギャラリー・神奈川) 「ルナミセレクション」ギャラリールナミ・東京)
1993年 「フイールドワーク イン藤野」('94〜・神奈川県)
1995年 「EUROPOS PARKAS国際彫刻シンポジウム」(ヴィリニウス・リトアニア) 「日伯修交百周年」展(MAC・サンパウロ)
1996年 「名古屋、ソウル立体造形の交流」展(名古屋市民ギャラリー・名古屋)
1997年 「ソウル、名古屋立体造形の交流」展(ウォンソーギャラリー・チョンローギャラリー・ソウル)
1998年 「FIELDWORK and SCULPURE」(プアス・ベルギー) 「FUJINO国際アートシンポジウム」(藤野・神奈川)
2000年 「Land Art &Beeldhauwerken」(デュインゲローベルド国立公園・オランダ) インターナショナル・アーティスト・イン・レジデンス・青森 Puddles「水辺」(青森)
2001年  "a lot of P"プラザラリー(東京) 「FUJINO国際アートシンポジウム」(藤野・神奈川)
2002年 「東日本-彫刻 展(東京ステーションギャラリー・東京)
2003年 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2003 (新潟) 表象都市metamorphosis広島-芸術実験展示プロジェクト2003-(広島)
2004年 アーティスト・イン・レジデンス2004「自然との対話」(青森・国際芸術センター)



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