中瀬康志 展 -消えない地平-
■ アーティスト・トーク ■ 会場にて、制作のことなど 作家ご自身に語っていただきます。 6月1日(水) 18時〜19時 先着順、入場無料 (終了しています) |
中瀬さんは80年代から活躍している彫刻家です。鉄や木、陶やFRP、時には民家と素材を選ばない作品づくりはスケールが大きく、いずれもはりつめたラインの美しさと量感が独特です。近年は神奈川県「フィールドワークスイン藤野」での制作と国際シンポジウム(1993〜)や、新潟県「妻有アートトリエンナーレ」で劇場の制作(2003)、青森県「国際芸術センター青森 (ACAC)AIR(アーティスト・イン・レジデンス)」(2003)など、社会や自然とコラボレーションをするかたちでの活動が増え、その世界が広がっています。 「妻有アートトリエンナーレ」の「儀明/劇場・倉」では、新潟県の儀明という場所の、山の中腹にある古い民家を劇場にリノベーションし、傾斜を利用して花道のような真っ赤なせりだしをつくりました。棚田の緑に浮かび上がる細長い廊下は緊張感に充ち、自然と交感するための神聖な飛び込み台のようで、そこで行われるダンスや文楽に不思議な影響を与えました。またビルの谷間に青い梯子数十台を7mほどの高さに折り重ねるように積んだ「仮設―空」(2003)も、暗い日陰からビルに四角く切り取られた青空へと疾走できそうな開放感を放ち、「消えた風景」(2004)では、高台に船の骨組みのようなかたちが木でつくられ、屹立するラインが空間をシャープに切り取り、清冽な印象でした。 中瀬さんはこのように自然の中で作品をつくるうちに、「つくりたい」という作家の欲望を再考するようになりました。その中で幾つかのキーワードを選び取ります。@量感がないこと Aシンメトリーや構成など彫刻的な要素がないこと Bつくることの傲慢さを捨てる C存在感を消す。今展の新作品はそうした中から生まれて来ました。1棟1棟手づくりをした(実際には現実の家を500棟以上写真撮影しています。)掌に乗るような小さな木の家が500棟近く、ギャラリーの壁にぐるりと並びます。「家並みがつくりだす線=地平線を人が見る時に感じる、ノスタルジー、家族、平和、内密な世界、情報社会、etcは人の数だけあります。確かに見える地平線。が、人はその場所に到達することはありません。それでも確かに存在する。生や死、絶望と希望、光と闇などの対比する概念の狭間に似て。」と話します。 2004年ACACの「自然との会話-私と自然の新たなる物語」展では、鉄のラインだけで100種類の器型をつくった中瀬さん。器に入れるもの、入れないもの、「器」は「家」でもあり、タイトルに込められた作品への想いは、今展へも繋がっています。 |
「東京フラワー」 |
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