一色 智登世 展 2005年10月7日(金)〜11月3日(木) |
一色さんの作品は、近代建築で見かける柱飾りや華やかなオーナメントのようで、高さ160cm程の壁や台から垂れ下がるように設置される陶のオブジェです。 リング状の土がブドウのように重なって90cm幅まで空間に広がっていたり、板状の土が合わさって、花弁のようなかたちを成しています。それぞれ色土が練り込まれて、ブルーやグリーン、イエローのグラデーションに色付けされ、淡い色合いが明るく爽やかでコンテンポラリーな印象です。また、やきものや土のザラッとした表情もかすかに残っていて、土のイメージが空間に広がっていく様は、ダイナミックです。リングや紐の集積でつくられるパターンは向こう側を透けて見せ、パーティションのように空間を遮りながら、向こう側の空間と繋がっていく、軽やかさがあります。 今展では、会場の真ん中に台から下がる作品を2点、両側の壁に、壁から直接下がる作品3点を設置し、合計5点で空間構成をする計画です。台から下がる作品はその周囲をグルッと周って見ることができます。 一色さんは現在美術大学の大学院生で、この「Crystallize(結晶させる)」と名づけられた作品をつくり始めて未だ一年です。今展が初個展開催となります。 「結晶」とは、雪の結晶のように原子が規則正しく配列してつくられる個体を意味しますが、「愛の結晶」、「努力の結晶」と使われるように、関係性における現象や成果をあらわすこともあります。 一色さんのイメージする結晶は、想いを具現化させる後者を指しているようです。 土の可塑性、焼くことによって生じる色彩やかたちの変容、硬化など独特の性質を魅力的に感じて、この世界に挑んでいます。 |
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