大西康明 展 -呼吸星雲-
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大西さんの作品は、会場全体を暗闇にして行なうインスタレーションです。それはまるで、洞窟の暗闇の中で、得体の知れない大きな生きものがうずくまっていて、その呼吸に合わせて青い斑点の散らばる胴体がかすかに上下している、そんな光景が出現します。
種明かしをすると、11m×6m×2.4mの会場いっぱいにビニールで出来た巨大袋があり、袋の口からファンで風が送られて呼吸するように膨らんだり萎んだりします。全体に蓄光シールが貼られていて、私達はその微かな煌きによって動きをとるというシンプルなシステムです。が、その光景は銀河の大星雲か、深海に潜む巨大な魚が出現したようなリアリティで迫ってきて、私達は暗闇の恐怖と畏怖の中で、見知らぬ生きものの鼓動と同調していくような感覚に包まれます。 大西さんは今年26才になる若手作家です。作品は線や点によるインスタレーションで、切り倒された松の木を輪切りにし、円環状につなぎ合わせ、その表面をある表情に細工した鉄で覆っていく作品や、金属を削る火花の瞬間をとらえた写真などから、最近では光の線や点、紐が呼吸するように動く作品へと変化してきました。光や紐がまるで異なる存在物として表出し、私達の既成概念を打ち壊します。視覚や五感を奪われる刹那に、圧倒的な新体験がやってきます。 |
会場の様子 ※実際は10分間隔で収縮しています |
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