河上奈未 展 2006年1月6日(金)〜1月31日(火) |
河上さんの作品は陶でつくった高さ30cmほどのひとがたが「太極拳」をしている姿を写しています。太極拳の所作がひとつの立体の中にムーブメントとしてつながり、重なり合った動きをドローイングの輪郭線でなぞります。 どっしりとした白い土に、かすれたブルーやオリーブ色で描かれた着物のような着衣、小さくまとめた頭髪、一筆書きで描いたようなさっぱりとした顔立ちなど、いにしえの中国の陶俑を連想させる優雅な雰囲気を漂わせながらも、ふくよかなその姿は、カンフー映画のようなユーモラスな動きもみせて現代的な魅力を放ちます。 両手を大きく回すポーズでは、印相を結んだ手が扇風機の羽のように円形に表わされ、前後に両手を動かすポーズでは、しとやかに裳裾を揺らしながらも手の動きが滑り台のようなかたちとなって肩に乗っていて、微笑を誘います。 仏教彫刻でも、千手観音や口に文字を接続して説法する姿を表現する方法がありますが、河上さんの新しさと古さへの憧れ、アカデミックさとポップさ、古めかしい陶俑と3Dのような現代的な表現など、相反する要素をミックスさせる感覚が、このようなユーモラスでおおらかな作品をつくりました。 河上さんは美術大学を卒業して9年目の作家ですが、在住する関西では毎年異なる表現で発表を続けて人気があります。今回が初めての東京での個展開催となります。 |
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