御笹朋子 展 2006年4月6日(木)〜5月8日(月) |
御笹さんの作品は陶でつくった1万個の立方体によるインスタレーションです。約5cm四方の立方体はすべて手びねりでかたちづくり、削り、釉掛、焼成を経て6ヶ月をかけてつくられました。1列に並べると500mの長さです。これらを床に散らしたり、数個ずつ並べたり、壁に掛けたり、固まりにして置き、会場では自在な展示構成を行ないます。 御笹さんの立方体は、枯れ枝や石、燃えカスや結晶体のような自然物のエッセンスを連想させ、力強い存在感があります。幾何学に昇華した自然からのメッセージか、自然への供物のような凛とした佇まいです。 御笹さんはこれまで美術大学で陶芸を学び、手びねりの丸みを帯びた幾何学形態によるインスタレーションを行なってきましたが、今から2年前、大学院を修了する頃から、3cm四方の立方体を制作するようになり、その作品は鉱物標本のような豊かな陶の表情を見せるようになりました。削れ、かすれ、釉だれ、ひび割れなど、炎がつくった姿は、当然ながらふたつと同じ姿がなく、それぞれに絶妙です。 御笹さんは、こうしたひとつひとつの表情を「ココケシキ」と呼び、「ココ」とは1個1個、生まれる、此の場所、「ケシキ」には風景、眺め、有様、機嫌と読み解きます。 御笹さんの育った福岡太宰府の古代から続く土の歴史をつないでいるような、不思議な作品が生まれました。いにしえから続く風に吹かれ、舞い立つ土の一砂一砂が、今御笹さんを呼び覚まして、陶片に1万個の表情を刻み付けました。 関西ではすでに数多くの発表をされている御笹さんですが、東京では初めての個展開催となります。 |
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