INAXギャラリー特別企画展10daysセレクション −予兆のかたち 8− 碓井ゆい 展
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碓井(うすい)ゆいさんの作品は、布やコイル、空き缶など身の回りの品でつくったオブジェによるインスタレーションです。クリスマスをテーマにした「パーティのあと」では、食べかけで雪が溶けたようなデコレーションケーキ、ポンポンクラッカーの残骸がお菓子の包み紙や布、豆電球でつくられています。古い校舎を利用した作品では、アイボリーにペイントした部屋にカーテン、食べ終わったチキンの骨でつくった猫の写真、冬木立が刺繍されたタペストリー、ドアに挟まれた玩具などが点在しています。大量消費時代、誰もが無数に捨ててきたチョコレートの包み紙や、セーターの模様など、記憶のかけらで記憶の部屋を作り直したような作品です。ゆっくりと見ていくと、無数の人々にもきっとある懐かしいような親密さが現われてきます。棚にそっと置いただけの布切れですら、思い出に満ちているような、簡単に手を触れることができない濃密な存在感を放ちます。碓井さんの布や缶には、大切に、大切に扱われて、灯りがともっているような不思議な質感があります。 今展のテーマは「小学校の音楽教室」です。ヘンデル、ベートーベン、シューベルトなど楽聖の肖像画、五線譜の書かれた黒板、音響壁、グランドピアノ。音の合わないのどかな楽曲を背景に、高い空が広がっているような、白昼夢が見られる作品です。 |
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