大場 緑 展

大場緑(おおばみどり)さんはINAXギャラリーには2度目の登場になります。
前回1995年に開催した時には、和紙に濃縮したコーヒーで描いたドットが画面を覆う平面作品や布に呪文のような文字や色を描いた独特の作品で私たちを圧倒しました。

今回の大場さんの作品は、サブタイトルを｢虫のように鳥のように｣と詠ったように、籐や胡桃枝、糸、おが屑、ダンボール、和紙、石膏を素材に蟻塚、蜂の巣、鳥の巣を連想させるかたちのオブジェによるインスタレーションです。

例えば、糸にぶら下がった芋虫のようなかたちが布と刺繍でつくられています。
その細密でベルベットのような光沢のある重厚な質感は、ポリネシアの黄金の鳥の羽でできた王様のマントや、スズメバチの目玉模様の巣を連想させます。
また、東南アジアの草で編まれた筒状の鳥の巣や、ビーバーの小枝で編まれた河上の巣、土や砂を盛り上げて建てたシロアリの蟻塚、海に生きるフグやハリセンボンの魚など、彼女自身が虫や鳥であるかのように紡ぎ出したかたちからは、生命の力強さや原始的な美しさが感じられます。

個 展
1992 ガーディアンガーデン (東京)
ギャラリー美遊(東京)
1994 ギャラリーNWハウス(東京)
1995 INAXギャラリー(東京)
1997 ギャラリーSEN SEN CHI (静岡)